第10回 ステークホルダー・エンゲージメント・マネジメントのツールと技法(2014.07.11)
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◆ステークホルダー特定のツールと技法
ステークホルダーマネジメントの連載では、
第1回 PMBOK(R)第5版で新知識エリアに
第2回 ステークホルダー特定
第3回、第4回 ステークホルダー・マネジメント計画
第5回、第6回 ステークホルダー・エンゲージメント・マネジメント
第7回 ステークホルダー・エンゲージメント・コントロール
第8回 ステークホルダー特定のツールと技法
第9回 ステークホルダー・マネジメント計画のツールと技法
について述べました。
本号では、PMBOK(R)第5版の『ステークホルダー・エンゲージメント・マネジメント』プロセスのツールと技法について取り上げます。
◆『ステークホルダー・エンゲージメント・マネジメント』プロセス(実行プロセス群)
◎インプット ┐ ┌◎ツールと技法 ┐ ┌◎アウトプット
・ステークホルダー・│⇒│・コミュニケーション方法│⇒│・課題ログ
マネジメント計画書│ │・人間関係のスキル │ │・変更要求
・コミュニケーション│ └・マネジメント・スキル ┘ │・プロジェクトマネジ
マネジメント計画書│ │ メント計画書更新版
・変更ログ │ │・プロジェクト文書
・組織のプロセス資産┘ │ 更新版
│・組織のプロセス資産
└ 更新版
『ステークホルダー・エンゲージメント・マネジメント』プロセスでは、以下の活動をします。(PMBOK(R)から抜粋)
・ステークホルダーを適切な段階でプロジェクトに関与させる
・交渉とコミュニケーションによって、ステークホルダーの期待をマネジメントする
・潜在的な懸念事項に対処し、ステークホルダーが提起しそうな問題を特定点を予期 する
・課題を明確にし、解決する
ステークホルダーの関与をマネジメントすることによって、プロジェクト目的や目的が達成できないリスクを低減させましょう、ということなのですが、その活動は、ステークホルダーマネジメント計画書とコミュニケーションマネジメント計画書に従って行います。つまり、上記の活動について、計画書に記載しておきます。
それでは、その活動のためのツールと技法についてですが、コミュニケーション方法は、コミュニケーション・マネジメント計画書に記載されているコミュニケーション方法のことです。
PMBOK(R)によると、例えば、
・双方向コミュニケーション:会議、電話。インスタントメッセージ、テレビ会議
・プッシュ型コミュニケーション:手紙、メモ、レポート、電子メール、ファックス、プレリリースなど
・プル型コミュニケーション:掲示板、教訓データベースなど
人間関係のスキルは、
・信頼関係の構築
・コンフリクトの解消
・積極的傾聴
・変化への抵抗の克服
マネジメント・スキルは
・プロジェクト目標達成のためのコンセンサス形成
・プロジェクト支援のためのステークホルダーへの働きかけ
・プロジェクト成果受け入れのための組織への働きかけ
などですが、要するに、これらのことを、コミュニケーション・マネジメント計画書やステークホルダーマネジメント計画書で決めておきましょう、ということになります。
そして、これらの活動は、ステークホルダーのエンゲージメントを高めるため、
・ステークホルダーが幸福で、
・プロジェクトに愛着を持ち、
・成果を挙げて、プロジェクトに貢献したくなる
ような気持ちを持ってもらうために、マネジメントを行っているというところがポイントです。
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講師:鈴木道代(株式会社プロジェクトマネジメントオフィス,PMP,PMS)
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【カリキュラム】
1.ステークホルダーマネジメントとは何か
2.ステークホルダーの特定・プロジェクトのパラメータ
・(演習2)ステークホルダーリスト
3.影響力の法則(R)
・(演習3)カレンシーを考える
4.概念的に考えて具体的に行動する
・コンセプチュアルスキルとは
・本質を見極める
・洞察力を高める
5.ステークホルダーと良い関係を作る・WinWinの関係
・(演習5)期待と要求のロールプレイ
6.まとめ
・(演習6)カレンシーを再考する
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著者紹介
鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
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