プロジェクト品質の家
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◆プロジェクト品質の家(QFD:Quality Function Deployment)
PMBOK(R)ガイドでは、9つの知識エリアと5つのプロセス群(立上げ、計画、実行、監視コントロール、終結)を定義しています。知識エリアとはプロジェクトマネジメントのマネジメントの対象を9つに分類したもので、そのマネジメントの対象とは、
・スコープ
・タイム
・コスト
・品質
・人的資源
・リスク
・コミュニケーション
・調達
の8つとそのどれにも分類できず、また、その8つのどれとも関連し、統合・整理をする統合知識エリアです。
今回は、そのプロジェクト品質マネジメントについてのツールを取り上げます。
PMBOK(R)ガイドでは、品質計画(計画プロセス群)、品質保証(実行プロセス群)、品質管理(監視コントロールプロセス群)の3つのプロセスを定義し、それぞれインプット、ツールと技法、アウトプットがあります。
そして、全体的な流れとして、プロジェクト品質マネジメントを4つの視点でまとめている考え方があります。
その4つの視点とは、
・顧客満足
・プロセス改善
・データによる管理
・自律的管理
であり、言うまでもなく、決められた基準の顧客満足を達成するための品質マネジメントですので、顧客満足を把握し品質として定義し、その品質を実現するためにプロセス改善を行い、テスト結果データで、品質が実現されているかどうかをチェックし、そして、その品質を実現していくために、メンバーは自律的管理を行います。
つまり、
・プロセス改善
・データによる管理
・自律的管理
の3つの視点について計画し、実行していくためには、顧客満足の把握が、まず第一歩となっています。
その顧客満足を把握し、品質として定義するためのツールが、プロジェクト品質の家です。
PMBOK(R)ガイドでは、立上げプロセス群には品質知識エリアのプロセスが定義されていませんが、顧客の期待の把握は、計画プロセス群よりは立上げプロセスで行います。
第4版では、ステークホルダー特定というプロセスが立上げプロセスで追加され、第3版では、実行プロセスにステークホルダーの期待のマネジメントが追加されています。
要するに、プロジェクトの早い段階でステークホルダーを特定し、そのステークホルダーが何を期待しているかをステークホルダー分析によって把握し、そして、そのステークホルダーの期待が実現されるようにマネジメントを行う、というプロセスの構成に第4版ではなっています。
そして、ステークホルダーの期待を実現するための計画が品質計画であり、実現できているかどうかをチェックするための基準が品質基準です。
ステークホルダーの期待をプロジェクトの仕様の優先度に実現するツールが、プロジェクト品質の家であり、品質機能展開図(QFD)の一種です。
次回からは、プロジェクト品質の家の作成方法について述べます。
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鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
本連載は、PM養成マガジン購読にて、最新記事を読むことができます。