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第34回 プロジェクト憲章作成ツール(2011.01.26)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木 道代


◆最も重要な5つの質問

「最も重要な五つの質問とは、
・われわれのミッションとは何か
・われわれの顧客は誰か
・顧客にとっての価値は何か
・われわれにとっての成果は何か
・われわれの計画は何か
という五つの質問からなる経営ツールである」

と、ドラッカーは著書「経営者に贈る五つの質問」で説いています。

五つの質問によって、行動のための計画を作成することができます。

・明日の行動を決めるためには、今日、計画をたてるべきである。
・計画を作成するためには、成果を定義しなければならない。
・成果は顧客にとっての価値でなければならない。
・成果の恩恵を被る顧客とは誰なのか。
・顧客を満足させるためのミッションとは何か。

明日、行動するためには、まず、ミッションを明確にしなければならない。

また、
・ミッションがあれば、顧客がいるはずである。
・顧客を満足するためには、顧客にとっての価値を知らねばならない。
・顧客にとっての価値を供給するためには、成果を明確にしなければならない。
・成果をあげるためには、計画をたてなければならない。

と、ミッションを明確にすることで、行動するための計画ができるはずである。

ドラッカーの五つの質問は組織の経営のためのマネジメントツールですが、プロジェクトマネジメントにおいて、行動するための計画のインプットは、立上げプロセス群のアウトプットであるプロジェクト憲章です。

PMBOK(R)ガイドにおいて、プロジェクト憲章のツールと技法は、専門家の判断、だけです。

そこで、この五つの質問をツールとして、使います。
五つの質問の答えを考えてみましょう。

プロジェクトは組織の戦略を実現するために行っている非定常的な業務ですので、ミッション、顧客、その顧客の価値、あげるべき成果、計画(アプローチ)を明確にすることが最も重要なはずです。

ドラッカーの最も重要な5つの質問に答えていくことで、プロジェクト憲章に書くべき、目的が明確になっていきます。

「○○システムを作る」だけが目的ではなく、何のために誰のために作っているのか自分たちのミッションは何か、などを考えてみませんか。

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  講師:鈴木道代(株式会社プロジェクトマネジメントオフィス,PMP,PMS)
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2.ステークホルダーの特定
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4.概念的に考えて具体的に行動する・コンセプチュアルスキルとは
 ・本質を見極める
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5.ステークホルダーと良い関係を作る
 ・(演習5)期待と要求のロールプレイ
6.まとめ
 ・(演習6)カレンシーを再考する
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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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