プロジェクト品質の家
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◆プロジェクト品質の家(QFD:Quality Function Deployment)(7)
前回は、3)について、書きました。今回は、4)についてです。
ヘ
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│1)│3)│5)│4)│
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プロジェクト品質の家は、顧客の期待をスコープに取り込み、顧客の期待・要望を満足するためにプロジェクトの仕様の優先度を決めるためのツールです。
描き方には順番があり、
1)顧客の期待を記載します。(プロジェクトにおけるWHAT)
2)顧客の期待を実現していくためのプロジェクトの進め方を記載します。
(WHATを実現するためのHOW)
3)1)顧客の期待と2)プロジェクトの進め方との関連の有無やその度合いを記載します。(「◎」や「○」を記入)
ここにマークが全くつかない場合、顧客の期待である1)を、2)で全く実現しようとしていないわけですので、Howであるプロジェクトの進め方があまりふさわしくないということになり、再考する必要があります。
また、マークが多いHOWを優先することで、1)のWHATがより実現されていくことになります。
2)の上部の屋根の部分である※)は、2)のプロジェクトの進め方においての相関関係を記載します。
そして、4)では、競合との比較を行います。
品質の改善をする場合、必ず出てくるのが、ベンチマーキングです。
古い人間である著者は、ベンチマーキングと言えば、ホストマシン導入時に機種の比較のために行った性能評価を思い出すのですが、本当の意味は、他業種のベストプラクティス(最も素晴らしい手法)から学ぶことによって行う品質改善、経営改善のことだそうです。
よく事例として出てくることに、米国のゼロックスさんの話があります。
ゼロックスさんは、複写機の独占企業でしたが、1970年代後半、高品質低価格の日本のキャノンさんに押され、シェアをどんどん失っていました。
そこで、TQMを実施し、自社の問題点の1つが製品の工場からの出荷に無駄なコストをかけていることを見つけ出しました。そして、そのベストプラクティスとして、アウトドア商品の通信販売業者である「LLビーン」のベンチマーキングを行い、自社のプロセス改善を実施し、シェア奪還に成功したそうです。
このように、他業種、他商品と比較することによって品質改善を図ること、もう一歩進んで、競合との差別化を「プロジェクト品質の家」では、4)にて行います。
4)では、まず、競合(ベストプラクティス)を選びます。パッケージの開発であれば、競合商品開のプロジェクト、スクラッチであれば、競合ベンダーのプロジェクトであり、また、他には同じお客さんの別のプロジェクトでも、OKです。
そして、1)の顧客の期待に対して、このプロジェクトはこのレベルであり、競合プロジェクトはこのレベルであるというレベル評価を行います。
ここで注意することは、「プロジェクト品質の家」は立上げ段階で作成するツールですので、まだ、プロジェクトには着手していないということです。このプロジェクトでは、このレベルを目指すということを表明するわけです。
また、競合については調査できれば行いますが、できない場合は、推定します。
レベルについては、5段階で評価するのが適切です。
それでは、この4)の評価をどのように使うのかを次回の5)で述べます。
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鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
本連載は、PM養成マガジン購読にて、最新記事を読むことができます。