◆ステークホルダーキューブ
第53回では、ステークホルダー知識エリアの立上げプロセスであるステークホルダー特定のアウトプットであるステークホルダー登録簿として、PMstyleで使っている、ステークホルダー一覧表について、第54回では、ステークホルダーマネジメント計画について取り上げました。
第53回 ステークホルダー一覧表
第54回 ステークホルダーマネジメント計画
今回は、ステークホルダーマネジメント計画を作成するためには、まず、ステークホルダー分析が必要ですが、そのためのツールであるステークホルダーキューブを取り上げます。
ステークホルダー分析のツールとして、通常は、表(マトリクス)やグラフ(グリッド)を用います。
1.表(マトリクス)
ステークホルダー名をタイトル列(左1列目)に列挙し、タイトル行(上1行目)にステークホルダーを評価するための項目を列挙します。
評価する項目は、ステークホルダーがプロジェクトに求めるもの、プロジェクトがステークホルダーに求めるものなどです。
その他、QCDSに対して、権限を持っているのか、などステークホルダーマネジメント計画や、他のプロジェクトマネジメント計画の作成に必要な項目を挙げていきます。
表(マトリクス)の場合は、ステークホルダーの評価項目は列を増やすことで、増やすことが可能です。
2.グラフ(グリッド)
グリッドとは、2×2の格子状の表であり、その中に、ステークホルダーを円で、プロットします。
この場合、ステークホルダーの評価は、横軸、縦軸、円の大きさ、円の色の4項目にて、評価することができます。
例えば、『ステークホルダー影響グリッド』では、
横軸:コミットメント
縦軸:支援の必要性
円の大きさ:影響度
の3項目を評価しています。
第10回 ステークホルダー影響グリッド
また、『ステークホルダー可能性グリッド』では、
横軸:ステークホルダーがプロジェクトに対して妨害する可能性
縦軸:ステークホルダーがプロジェクトに対して支援する可能性
を評価しています。
評価は、プロジェクトの成功に対して、よりプラスの方向に動くステークホルダーなのか、よりマイナスの方向に動くステークホルダーなのかを可能性が高い、または低いで評価し、4象限に分類します。
可能性ですので、現時点+将来についての予測です。
次に、『ステークホルダーキューブ』では、3次元(奥行き)の評価項目として、プロジェクトに対して、ステークホルダーは、肯定的なのか否定的かを評価します。
『ステークホルダー可能性グリッド』は、2次元ですので、4象限に分類されましたが、『ステークホルダーキューブ』では3次元になり、8象限に分類されます。
各ステークホルダーが、どの象限に入るのかをプロットし、マネジメントで、どの方に行って欲しいのかを計画として、落としていきます。
もう少し、詳しい内容は、次回にします。
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6.まとめ
・(演習6)カレンシーを再考する
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鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
本連載は、PM養成マガジン購読にて、最新記事を読むことができます。