◆プロジェクトファシリテーション(2)〜グラウンド・ルール
PMの道具箱シリーズでは、現在、書籍「ゲームストーミング」について取り上げています。
「ゲームストーミング」(著:デイブ・グレイ他、出版:オライリー・ジャパン、監訳:野村恭彦、2011)
グラウンド・ルールは、会議などのその場のルールを会議の最初に全員で決め、会議に参加するという意識を高め、全員でそのルールに合意し、それをこの会議では守っていくという決意をする会議におけるチームビルディングであり、会議のファシリテーションとして、よく、知られています。
そもそも、グラウンド・ルールとは、野球場にはそれぞれの特別な事情があり、野球場ごとに決められたルールのことだそうです。例えば、ドーム球場など、天井にボールが当たった場合、野手が捕球すれば、アウト、外野の天井にボールが挟まった場合ホームランとか、球場ごとにルールが決められているそうです。
プロジェクトファシリテーションでは、会議だけではなく、プロジェクト期間中のグランド・ルールをプロジェクト初期のノーミング・セッション(チームビルディングの会議)にて、決めます。
ノーミング・セッションについては、こちらをご参照ください。
PMの道具箱
第102回 プロジェクトファシリテーション(1)〜ノーミング・セッション
そして、そのグラウンド・ルールを紙に書き出し、プロジェクト・ルームの壁に貼り出します。
例えば、
・メールタイトルに【プロジェクト名】を冒頭につける
・会議中は携帯の電源を切る
・会議での発言は簡潔に
・プロジェクトメンバー同士、必ず、挨拶をする
などなどです。
例えば、会議中に誰かが長々と発言したり、発言中に誰かが、発言を中断し横やりを入れた場合など、貼り出しているグラウンド・ルール(行動規範)をファシリテーターが読み上げたり、指し示したりすることで、本人に気づいてもらい、そのプロジェクトメンバーの成長を促し、また、そのことによって、チームのパフォーマンス向上を期待することができます。
言わば、行動規範であり、プロジェクト初期に目的・目標とともに全員で決めることで、チームビルディングを行い、プロジェクト期間中、行動規範を守ることで、チームのパフォーマンスを向上させるものです。
行動規範については、下記のコラムもご参照ください。
「ひとつ上のプロマネ。」行動トレーニング
第1回 「ひとつ上のプロマネ。」10の行動規範とは
はじめてのプロジェクトマネジメント
第33回 プロジェクトマネジャーの5つの仕事
PMstyle Kit
No11. メンバーからリーダーに「変化」する《PMstyle》
小規模プロジェクトのプロジェクトマネジメント
第2回 小規模プロジェクトの立上げプロセス
グラウンド・ルールは、大きく、次の3つに分かれます。
1.挨拶、服装、コミュニケーションのルールなどプロジェクトの運営ルール
2.会議でのルール
3.プロジェクトを楽しくするためのルール(会議ではお茶を飲む、水曜日は定時日など)
グラウンド・ルールはプロジェクトの特徴や参加するプロジェクトメンバーごとに異なりますので、特に、3.プロジェクトを楽しくするためのルールを参加するプロジェクトメンバーで考え、それを守ることによって、より、プロジェクトを楽しくし、そのことによるプロジェクトメンバーのモチベーション向上を図ることができるのではないでしょうか。
◆参考資料
「ゲームストーミング」(著:デイブ・グレイ他、出版:オライリー・ジャパン、監訳:野村恭彦、2011)
◆関連するセミナーを開催します
━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ コンセプチュアルなチームを創る ◆7PDU's
日時・場所:【Zoom】2024年 12月 09日(月)9:30-17:30(9:20入室可)
【Zoomハーフ】2024年 02月 10日(土)13:00-17:00+3時間
【Zoomナイト】2023年 10月25日(水)27日(金) 19:00-21:00+3時間
※Zoomによるオンライン開催です
※ナイトセミナーは2日間です
※ハーフセミナー、ナイトセミナーは、事前学習3時間あります
※少人数、双方向にて、個人ワーク、ディスカッションを行います
講師:鈴木道代(株式会社プロジェクトマネジメントオフィス)
詳細・お申込 https://pmstyle.biz/smn/conceptual_term.htm
主催 プロジェクトマネジメントオフィス、PMAJ共催
※Youtube関連動画「コンセプチュアルスキルとは(前半)」「コンセプチュアルスキルで行動が変わる」
「チームマネジメント」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【カリキュラム】
1.チームを作る
2.コンセプチュアルなチームは本質にこだわる
3.コンセプチュアルシンキングで創造的かつ生産的なチームを作る
4.コンセプチュアルなリーダーシップ〜チームの質のマネジメント
・心理的安全性
・2on2
5.コンセプチュアルなチームワークエクスサイズ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
本連載は、PM養成マガジン購読にて、最新記事を読むことができます。