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第2回 小規模プロジェクトの立上げプロセス (2009.08.25)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木 道代


◆小規模プロジェクトの立上げプロセス

前回は、小規模プロジェクトの特徴を取り上げました。

  小規模プロジェクトとは? 

今回は、小規模プロジェクトの立上げプロセスで具体的にプロジェクトマネジメントとして行うべきことについて取り上げます。

小規模プロジェクトが失敗する要因は、以下のことが多いと言われています。

・不十分なまたは不適当なリソース
小規模プロジェクトは優先順位が低いことが多く、適当なリソースを割り当てられることが少ない

・不十分な計画とコントロール
十分な計画を作成せず、コントロールもあまり行われない

・現行のプロジェクト文書の不足(特に計画、状況報告書、リスクログ)
参考になる情報が少なく、また、参考になる情報を残せない

・非現実的なスケジュール
あまりにも短期間のスケジュールである

・プロジェクトスポンサーとの関係の欠如
優先順位が低いなど、プロジェクトスポンサーからの注目度が低い

・プロジェクトチームとの関係の欠如
短期間、少人数であり、担当分をこなすことに終始してしまう

・経験のないプロジェクトマネジャー
小規模プロジェクトでプロジェクトマネジャーとして経験をつむ

上記のような要因はプロジェクトにとって不当であるため、その要因をなくすことによって、小規模プロジェクトの成功率は上がるはずだ、と、言うことは簡単ですが、現実にはなかなかそうはいきません。

失敗要因のすべてを改善することは難しい、となりますと、きっちりすべて計画をたてて実行するような通常のプロジェクトマネジメントでは対応できません。
適宜進めていく、という姿勢でマネジメント行うことで対処します。

どちらかと言いますと、理詰めの計画を立てて、計画にしたがってプロジェクトをコントロールするというよりは、

・先立つ
・人に道筋を示す
・方向性、コース、アクション、意見を導く
・目的を達成させるために人をモチベートする

のリーダーシップを中心としたチームとしてプロジェクトを進めていくマネジメントが必要です。

つまり、問題が出てきたら、随時解決していく問題解決能力が必要になり、随時解決していくために、事前にRAMで役割を決めておく必要があります。

上記の点から、小規模プロジェクトのプロジェクトマネジメントは立上げプロセスを重視していきます。

なるべく早くプロジェクトチームメンバーが集まり、チームとして問題解決していくためのチームビルディングを実施し、十分かつ適当なリソースが割り当てられるように、プロジェクトスポンサーとの関係を密にし、参考になる情報をなるべく早く多く集めるための動きをしていきます。

また、短期間、少人数であり、担当分をこなすことに終始してしまわないためにも、なるべく早く、着手することで、後ろにあわせた非現実的なスケジュールを避けることができるようになります。

小規模プロジェクトのプロジェクトマネジメントは、ヒトを中心にプロジェクトを動かして行くために、立上げプロセスで、チームでプロジェクト憲章、もしくはチームの行動規範や決まりなどを作成します。

プロジェクト憲章の詳細については、こちらから。
   

次回は、小規模プロジェクトの計画プロセスのマネジメントについてです。

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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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