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自分の枠の中にいれば、自分の正当性を証明できるるが、固定的な考えしかできない。枠(箱)から出よう

第16回 思考の幅を広くする(6)〜箱から出る(2021.05.14)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木 道代


◆思考の幅を広くする(6)〜箱から出る

クリティカルシンキングでは、自分の思考の幅が狭くないかを批判します。狭いかどうかは絶対評価でなく、相対評価ですので、広く考えることで、狭いかどうかを判断してみます。

これまで、以下の事例を取り上げてきました。

第10回 思考の幅を広くする ・・・小さな虫
第12回 思考の幅を広くする(2)・・・ノートの使い方100通り
第13回 思考の幅を広くする(3)〜ある消防士の事例
第14回 思考の幅を広くする(4)〜逆から考えてみる
第15回 思考の幅を広くする(5)〜変化を恐れない

本号では、箱から出ることを考えてみます。箱というのは、自分を正当化するための自分で作った枠のメタファーです。自分で作った枠ですので、当然、その中では、

・自分はいつも正しい
・自分はいつも論理的に考えている
・だから、これ以外の解答はあり得ない

と考え、その正当性を枠の中で証明しています。従って、箱から出れば、その正当性は、証明できないのかもしれません。

・正しいという根拠は?妥当ではないとすれば、どんな理由で?
・論理的に考えているが、その前提は妥当か?
・他にどんな解答があるのか?例えば、逆に考えてみると?

箱については、下記コラムをご覧ください。

PMの道具箱 第127回 人間関係のパターンを変える(5)〜どうすれば箱から出られるのか

箱に入っていると、考え方がワンパターンになります。標準化というものの弊害もあり、解決策なども自動的に決まってくるようにもなります。入り口で問題や条件を分類し、その後、レールに沿って、解決策という出口に向かってしまいます。

それが、客観的、論理的ということかもしれませんが、誰もが同じ回答に向かう、というのであれば、機械で十分です。創造性はありません。

考えている条件から外れるとどうなるのか、前提を変えるとどうなるのか、など、まとめて考えるために、箱から出ることを考えてみましょう。

例えば、自分の作った箱の外の人になりきって、考えてみましょう。箱の外にいる利害関係者(ステークホルダー)になりきって、考えてみます。

そのステークホルダーと協調関係にあるのであれば、

・そのステークホルダーが望むことは何か?
・今、自分が考えていることは、そのステークホルダーに役に立つか?
・もっと、役に立つこと(ステークホルダーになりきって)は何か?
・役に立たないのであれば、他にどんな方法があるのか?

などを考えます。

対立関係にあり、対立解消したいのであれば、協調関係と同様に考えます。

対立関係をそのまま維持したいのであれば、

・そのステークホルダーが望むことは何か?
・それは必須事項か、要望なのか、願望なのか?
・自分の必須事項が相手の必須事項と対立すれば、相手の考えを崩す

などを、相手の立場で考えます。つまり、相手になりきって、この自分(相手)の弱点を考えることになります。

こんなことを考えていると、通常は、相手(自分)のことがかわいそうになってきますので、多分、協調関係を築きたいと考えることになります。

ステークホルダーマネジメントでは、必ず考えたいことですね。

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   2.ロジカルシンキング
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   4.何を疑うのか(内省)
   5.クリティカルシンキングの4ステップ
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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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