第127回 人間関係のパターンを変える(5)〜どうすれば箱から出られるのか(2019/11/26)
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◆どうすれば箱から出られるのか
これまで、「自分の小さな「箱」から脱出する方法」を参考に、「人間関係のパターンを変える」をテーマとして取り上げてきました。
第123回 人間関係のパターンを変える(1)〜自分の小さな「箱」から脱出
第124回 人間関係のパターンを変える(2)〜相手を人と見るのかどうか
第125回 人間関係のパターンを変える(3)〜プロジェクトという箱
第126回 人間関係のパターンを変える(4)〜人とうまくやれない場合の言い訳
人と良い関係が築けない、人とうまくやれないのは、相手が悪いのではなく自分が箱に入っているからだから、前回まで、と述べてきました。
本号では、どうすれば、箱から出られるのかを考えてみましょう。
簡単な話です。どうすれば、箱から出られるのかを考えた時点で、箱から出ているのです。
なぜ、箱から出たいと思うかを考えてみますと、相手といい関係を築きたい、そのために自分は相手に何ができるのかを考えると、箱に入っていては、いい関係が気づけない、箱に入っていると、自分は相手を非難し、それによって、相手は自分を非難し悪循環が続く、と気づくからです。
箱から出たいと思った時点で、自分を守ることを辞め、自己正当化を辞め、自分は相手より偉いと考えることを辞め、相手と同じ立場に立って考えるからです。
また、自分を守る必要がありませんので、相手のことを、ことさら悪く思う(自分を守るため、自分をよく見せるためには、相手が悪くする必要があります)必要もありません。
例えば、「自分の小さな「箱」から脱出する方法」では、自分にはちょっと不良がかった息子がいて、そのために、近所からの苦情や学校からの呼び出しで迷惑を受けていた、自分の息子なのに、出来が悪い、と腹を立て、常に息子にくどくどと説教をしている、という話がありました。
息子にくどくどと説教をするのは、息子があまりいい青年ではない必要があます。時たま、良い行動をとっても、説教するため(自分が偉いという状況を続けるため、自分は息子に迷惑をかけられているかわいそうな父親であるため)には、息子は悪い行動をとっている必要があります。
そのために、現時点では息子は良い行動しかしていないとしても、父親は息子の過去の悪い行動を取り上げ、今の息子の状態をことさら悪く思う必要があるわけです。そして、その状態が続く限り、父親は箱から出ることはありません。
書籍では、自分が箱に入っていることを父親がワークショップで気づき、どうすれば良い父親になれるだろうか、を考えたそうです。
父親は、息子と仲良くなりたい、息子のために何かをしてあげたい、と心から思った瞬間に、箱から出ることができたそうです。
なぜならば、自分への裏切り(本当はこうした方がいいけど、面倒だから、息子が悪いから、自分は忙しいから、自分の稼ぎによって息子を食べさせているから、などなどの理由をつけて、それをしない、こと)もありませんし、そのため、自分を正当化する必要もありませんし、自分を正当化するため息子をことさら悪いと考える必要もありませんし、息子の欠点を捜し出す必要もありません。
このようなどちらかというとマイナス状態を引き起こすための無駄な努力をする必要そして時間が要らなくなります。
息子のために何をしてあげられるだろうか、と心から思うだけで良いのです。どんな行動をとれば、良いのか、一般的な父と子はどのように過ごすのか、その中で自分の息子はどれを喜ぶのかを考えるのです。
また、親がそのような行動をとれば、子供も「お父さんが変わった」と感じ、子供も箱から出てきます。つまり、好循環が生まれるわけです。
この好循環は、息子からではなく、自分が箱を出ることによって、生まれるのです。相手が何かすることによって、好循環が生まれるのではありません。
ただ、相手といい関係を気づきたいと思い、相手のために何をしてあげれるのかを心から考えるだけです。これが、WinWinの関係ではないでしょうか。
また、影響力の法則(R)の
1.相手は味方になると考える
2.相手とどのような関係になるのか(目標)
3.相手の世界を理解する
4.カレンシー(交換価値)を考える
を実施していることになりますね。
【参考図書】
アービンジャー・インスティチュート(金森 重樹監訳、富永星訳)
「自分の小さな「箱」から脱出する方法」、大和書房(2006)
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1.ステークホルダーマネジメントとは何か
2.ステークホルダーの特定
・(演習2)ステークホルダーリスト
3.影響力の法則(R) ・影響力とは何か?
・(演習3)カレンシーを考える
4.概念的に考えて具体的に行動する・コンセプチュアルスキルとは
・本質を見極める
・洞察力を高める
5.ステークホルダーと良い関係を作る
・(演習5)期待と要求のロールプレイ
6.まとめ
・(演習6)カレンシーを再考する
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著者紹介
鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
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