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第18回 ステークホルダー分析 (2009.09.08)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木 道代


◆ステークホルダー分析

PMBOK(R)ガイドの第4版が出版されました。が、日本語版をまだ取得することができていません。
ここでは、それにはあまり触れずに、新しく第4版で追加されている『ステークホルダー特定』プロセスについて、取り上げます。

『ステークホルダー特定』は、プロジェクトにより影響を受ける全ての人および組織を特定し、それらがプロジェクトの成功に対して有する利害、関与、影響に関する適切な情報を文書化するプロセスです。(PMBOK(R)ガイドから抜粋)

平たく言えば、ステークホルダーを特定し、そのステークホルダーがプロジェクトにどんな影響を与えるのかを予測し、この後の計画を作成するプロセスで参考にしましょう、という立上げプロセスのコミュニケーション知識エリアのプロセスです。

『ステークホルダー特定』プロセスのインプットは、プロジェクト憲章、調達文書、組織体の環境要因、組織のプロセス資産です。アウトプットはステークホルダー登録簿(ステークホルダーの氏名や評価情報など)、ステークホルダー・マネジメント戦略(ステークホルダーの支援を増大させ、マイナスの影響を最小化するための取り組みなど)です。

それでは、ツールと技法は何か、と言いますと、なんとステークホルダー分析です。
これは、PMBOK(R)ガイドの第2版では、『コミュニケーション計画』プロセスのツールと技法であり、第3版では、『スコープ定義』プロセスのツールと技法でした。版が進むにつれ、実施するタイミングが早くなり、、立上げプロセスの中で行う分析と定義されるようになりました。

実施手順は以下のとおりです。
1.ステークホルダーを特定し、役割、利害、期待、影響レベルなどの関連情報を収集する。
2.ステークホルダーを上記の情報で分類する
3.ステークホルダー・マネジメントに働きかける方法を計画する(ステークホルダー・マネジメント戦略)

2.の分類の方法は、権力と関心度グリッドや関与度と影響度グリッドなどの2軸で分類する方法などがあり、

第10回 ステークホルダー影響グリッド

では、ステークホルダーの関与度とコミットメントの2軸で分類しています。

3.のステークホルダー・マネジメント戦略は、コミュニケーション計画に反映していきます。

ここで、注意点が一つあり、1.の情報収集はあくまでも立上げプロセス実施時において、できる範囲、わかる範囲の情報しか収集することができず、その情報による評価や分類です。したがって、これらの情報は、プロジェクトを実施するにつれて、収集範囲が広くなり、明確になってくるはずです。立上げプロセスで行うステークホルダー分析を、洗練していくことで、より適切なステークホルダーマネジメントができると言えるでしょう。

ステークホルダーマネジメントについては、

  敵すら味方に引き入れる

  影響力の法則

もご参照ください。

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 ・(演習5)期待と要求のロールプレイ
6.まとめ
 ・(演習6)カレンシーを再考する
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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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