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第１２８回　人間関係のパターンを変える（６）〜箱から出た状態（2020/03/03）

プロジェクトマネジメントオフィス　鈴木　道代

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◆箱から出た状態

これまで、人と良い関係が築けない、人とうまくやれないのは、相手が悪いのではなく自分が箱に入っているから、だから箱から出ましょう、と述べてきました。

箱から出るのは、自分が箱から出たい、と思った瞬間に箱から出ています。相手と良い関係を築きたいと思うからこそ、相手をモノではなく人と思った瞬間、相手のために何か自分ができることはないだろうか、と考えた瞬間に箱から出ています。

そして、その状態を続けることがとても難しいのです。

第１２４回　人間関係のパターンを変える（２）〜相手を人と見るのかどうか

では、京阪電車の特急で隣に座った男の方が、私が何か動くたびに、「うるさい、うっとおしい」とひとりごとを言っている小話を紹介しました。

最初は、何か気に障るのかな、今は機嫌が悪いのかな、とその方のことを心配し、考えていたのですが、何度も繰り返されるうちに、こちらもだんだん気分を害し、最後は相手の悪いところばかりを考えてしまいました。
どうせ、こんな人は、誰にも相手にされないから、電車で隣に座った人の悪口を言って憂さを晴らしているに違いない。と。

こちらが相手を人と考えようとしても、相手があまりにも自分にとってひどい振る舞いをする、あまりにもひどいことを言われることによって、相手のことをモノと考えてしまうのです。ここでも、相手が悪い、と思ってしまうのですね。

せっかく箱から出ても、相手をモノと思ってしまうと、すぐにまた、箱に入ることになり、相手と良い関係を築くことができなくなります。
自分が怒りの感情を持ってしまうことや、何かにつけ相手の悪いところばかり考えるようになってしまった時には、なぜ、相手と良い関係を築くことが必要なのかを思い出し、相手が自分にとってどれだけ大切な人間なのかを考えてみましょう。

【参考図書】
アービンジャー・インスティチュート（金森 重樹監訳、富永星訳）
　「自分の小さな「箱」から脱出する方法」、大和書房（2006）

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• 一覧
• 第１２７回　人間関係のパターンを変える（５）〜どうすれば箱から出られるのか（2019/11/26）
• 第１２９回　説明が下手な場合洞察力を使う（2020/03/06）

著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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