◆相手を人と見るかどうか
先日、京阪電車の特急に乗りました。特急は進行方向に向いた二人掛けのシートが多く、また、ダブルデッカー(2階建て)の車両は、座席数が多いため、座れることが多いので、私は、1階で座るようにしています。
ある日、2人掛けのシートが2人とも空席のシートがなかったため、年配の男の人がかけている隣に座りました。
座ろうとすると、
「ちぇ、うっとおしいなあ」
との小声が聞こえました。空耳かなあ、聞き違いかなあと気にせずにいたのですが、カバンの中をごそごそし、本を出していると、
「うるさいなあ」
との小声がまた聞こえてきました。荷物を動かしたり、手を動かすたびに、「ちっ」
との小声。早く降りてくれないかなあ、と思っていたところ、次の駅で降りたので、ほっとしたのですが、席を立つ際に、
「あ〜、うっとおしい!!!」
との中声。思わず、「こっちもね!」と言ってしまいました。
その方にとって、隣に座る者は、自分を邪魔する者としてしか、考えられないようですね。特急に乗るたびにこのようなつぶやきをしているのでしょうか?
一人席がある特急もありますし、プレミアムカー(有料)もありますので、そちらに乗ってほしいものです。
と、ところで、隣に座る者は、自分を邪魔する者なのか?ということなのですが、その男の方だけではなく、ほとんどの方が、なるべく、一人でゆっくり、誰にも邪魔されずに座れればいいなあ、と思っているはずです。
ですが、混んできますと、やはり、カバンを隣の席に置いたままにして、一人で座るということはできませんので、隣に他の人が座るのが通常です。
なぜならば、座席は2人掛けシートですので、空いていなければ、となりにほかの人が座るのが当たり前であり、荷物を置いていても、荷物を膝の上や下において、隣の席を譲るべきだと、ほとんどの人が考えているからです。
ですが、乗ってきた人が若い人や自分の嫌いなタイプであり、自分は疲れているし、乗ってきた人よりも偉いので、カバンを横において、ゆっくり座るのが当然だ、と考えてしまうことがあります。
それが「自分への裏切り」だそうです。
自分の本当の心の声に反して、席を譲らない正当な理由を考えて、本当の心の声に蓋をすることが、「自分への裏切り」であり、結果として、「箱に入る」ということだそうです。
そうなると、自分だけが正しく、正当であり、誰よりも頑張っていて、他の人のことは人ではなく、モノとしてしか見れなくなり、全て、自分中心にしか考えられなくなるそうです。
そうなると、回りのことはすべて、色眼鏡で見始め、回りの声は聞こえなくなり、どんどん、自分の正当性を主張するためのいろいろな、あらゆる視点からの理由を考え続けるそうです。 ←←← そのパワーは別のところに使うと、いいですよねぇ。
そして、そうなってしまうと、影響力の法則(R)の第1ステップの「相手は味方になると考える」ことは難しくなり、権限のない影響力を発揮することはできません。
どうすれば、「箱」に入らないのでしょうか?次回から、考えてみましょう。
影響力の法則 第1回 なぜ、影響力なのか?
【参考図書】
アービンジャー・インスティチュート(金森 重樹監訳、富永星訳)
「自分の小さな「箱」から脱出する方法」、大和書房(2006)
◆関連セミナーを開催します
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◆「影響力の法則(R)」を活かすステークホルダーマネジメントの実践◆7PDU's
日時・場所:【Zoom】2024年 11月 12日(火)9:30-17:30(9:20入室可)
【Zoomハーフ】2025年 01月 08日(水 )13:00-17:00+3時間
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※Zoomによるオンライン開催です
※ナイトセミナーは、2日間です
※ハーフセミナー、ナイトセミナーは、事前学習が3時間あります。
※少人数、双方向にて、ディスカッション、ロールプレイを行います
講師:鈴木道代(株式会社プロジェクトマネジメントオフィス,PMP,PMS)
詳細・お申込 https://pmstyle.biz/smn/influence20.htm
主催 プロジェクトマネジメントオフィス、PMAJ共催
※Youtube動画「ステークホルダーマネジメント」
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【カリキュラム】
1.ステークホルダーマネジメントとは何か
2.ステークホルダーの特定
・(演習2)ステークホルダーリスト
3.影響力の法則(R) ・影響力とは何か?
・(演習3)カレンシーを考える
4.概念的に考えて具体的に行動する・コンセプチュアルスキルとは
・本質を見極める
・洞察力を高める
5.ステークホルダーと良い関係を作る
・(演習5)期待と要求のロールプレイ
6.まとめ
・(演習6)カレンシーを再考する
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鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
本連載は、PM養成マガジン購読にて、最新記事を読むことができます。