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第126回 人間関係のパターンを変える(4)〜人とうまくやれない場合の言い訳(2019/11/01)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木 道代

◆人とうまくやれない場合の言い訳

これまで、前々回、前回と「自分の小さな「箱」から脱出する方法」を参考に、「人間関係のパターンを変える」をテーマとして取り上げてきました。

第123回 人間関係のパターンを変える(1)〜自分の小さな「箱」から脱出

第124回 人間関係のパターンを変える(2)〜相手を人と見るのかどうか

第125回 人間関係のパターンを変える(3)〜プロジェクトという箱

本号では、人と良い関係が築けない、人とうまくやれない場合について、考えてみましょう。

例えば、「自分の小さな「箱」から脱出する方法」では、主人公と息子さんとのことが書かれていました。
自分には不良がかった息子がいて、警察や高校から呼び出されることが多く、近所や会社に知れると自分の立場が悪くなる、という状況だったとします。

また、息子にくどくどと注意をすることが多く、息子からはうっとしがられ、話しかけても、無視されたリ、反対に息子から怒鳴られたり、という関係でした。

ある時、大学生になった息子から車を貸してほしいと言われ、傷をつけられたり、事故を起こされると厄介なので、「注意して運転してほしい」「門限は7時」などとくどくどと言い、しぶしぶ車を貸しました。どうせ、帰らないだろうと無理な門限として7時を設定し、車はきっとどこかにこすってくるのだろう、と決めつけていました。

ところが、家の前にキーッと急ブレーキの音がして、7時前に息子が帰ってきたのです。

すると、門限を守ったことをほめるのではなく、急ブレーキをかけて車を停めて、近所迷惑だとか、スピードの出しすぎだとか、息子を責めてしまったのです。

自分は立派な親であり、ちゃんと働いて給料を家に入れていて、そのお金で息子は大学まで行っているのに、不良行為をすることで自分に迷惑をかけている不肖の息子であると思っていますので、門限を守り、車に傷をつけなかったことは、自分にとってとても不都合なことなのです。息子が正しい行動をとったことを素直に喜べないのです。自分が正当であるためには、息子は悪くないとダメなわけです。

なぜならば、息子を非難する(自分が偉い)という正当な理由がないからです。
そして、自分が偉いという正当な理由付けをするために、さらに息子をおとしめ、急ブレーキのことを責めるという行為に出るわけです。

今日の息子の行動は全く悪いことをしていないのに、自分が箱に入っているため(自分を正当化することを重視している)、息子をより、現実より悪く見ないと都合が悪いのです。そして、当然のことながら、息子との関係は、ますます悪くなっていきます。

自分と息子の関係があまりうまくいっていないのは、自分が息子を、現実より悪く見ているからなのです。
それは、自分の心の声(息子は門限通りに帰ってきた。正しい)に対して素直になれず、自分をよりよく見せる、自分は正しい、自分は偉い、という正当な理由を探し、それを証明するために、息子をより悪く見る、そして、ますます、息子との関係が悪くなるという悪循環におちいります。

本当に偉いヒト、はこうべを垂れています。

人とうまくやれない場合、自分が正しいという言い訳を探すことや相手の悪い点をあげつらうことをやめて、自分の本当の心の声に耳を傾けてみませんか?

そんなこと言ったって、相手がすべて悪い!!!と即座に反論される方は、これまでずっと箱に入っています。そして、これからもずっと入ることになる、と思ってください。

また、全ての問題ごとは自分が源泉(ソース)、という考え方もありますので、下記のコラムもご参照ください。

PMの道具箱 第89回 自分が源泉

【参考図書】
アービンジャー・インスティチュート(金森 重樹監訳、富永星訳)
 「自分の小さな「箱」から脱出する方法」、大和書房(2006)

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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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