第111回 ゲームストーミング(10)〜開始停止継続マトリクス(2018/06/08)
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◆開始停止継続マトリクス
PMの道具箱シリーズでは、現在、書籍「ゲームストーミング」について取り上げています。
「ゲームストーミング」
(著:デイブ・グレイ他、出版:オライリー・ジャパン、監訳:野村恭彦、2011)
本号では、開幕にでも閉幕にでも使えるゲームであり、次のステップを決めることや複数の視点から検討することが目的である、「開始停止継続マトリクス」を取り上げます。
このゲームでは、現状や今後の目標を念頭に置き、次の3つのカテゴリーの行動をブレーンストーミングで挙げていきます。
ブレーンストーミングではなく、ブレーンライティングで行うのもいいかもしれませんね。
ブレーンストーミングはこちらのコラムをご参照ください。
PMの道具箱 第4回 ブレインライティング
3つのカテゴリーとは、以下の行動です。
・開始:これから開始すべきことは何か
・停止:今、行っていることで、停止すべきこと、停止できることは何か
・継続:今、行っていることで、うまくいっているので、継続すべきことは何か
例えば、進捗会議時に、チームとしてうまく動けていないから、何とかしたい、という意見が出た場合、問題解決の第一歩として、現在の行動を3つのカテゴリーで挙げてみます。
┌──────────┬──────────┬──────────┐
│開始 │停止 │継続 │
├──────────┼──────────┼──────────┤
│・お誕生会ランチ │・飲みにケーション │・朝会 │
│ (楽しそう) │ (早く帰りたい) │・進捗会議でのリスク│
│・金曜日のリーダーか│・メールにおける全員│ についての報告 │
│ らの速報メール │ へのCC │・進捗会議の司会を交│
│ (プロジェクトの状│ (不要なものが混ざ│ 代で行い、ファシリ│
│ 況や来週のことを│ る) │ テーションスキルを│
│ を知りたい) │・・・ │ 向上させる │
│・・・ │ │・・・ │
└──────────┴──────────┴──────────┘
すると、停止のカテゴリーの行動に対して、多くの同様の意見があれば、すぐ、議題として取り上げ、停止の議論を始めることができます。
また、開始のカテゴリーに対して、すぐ否決するのではなく、どうすればできるのか、その結果どうなるのかの議論をし、効果があるのであれば、すぐ開始することができます。
問題解決の会議などにおいて、議論の枠組みを決めたり、目標の実現に対する議論をすることができるツールです。
PMBOK(R)第6版では、終結プロセスのみで振り返りをするのではなく、プロジェクト実行中、常に振り返りを行い、自身のプロジェクトにおいて、有効な知見はすぐに採用し、またその知見は他プロジェクトでも活かせるように、組織のナレッジとして蓄積するというプロセス「プロジェクト知識マネジメント」が追加されています。
実行プロセスの振り返りの場で使えるツールとして、他に、KPT、プラス・デルタがあります。
KPTは、次の3つのカテゴリーに分けて、表を作成するフレームワークです。
・Keep:うまくいったことを確認する
・Problem:問題を洗い出す、原因を分析する、改善策を考える
・Try:試したいことを考える、試すことを選ぶ
プラス・デルタは、次の2つのカテゴリーに分けて、表を作成するフレームワークです。
・+(うまくいったこと)
・△(改善すべきこと)
2つの方が、個人的には、好みなのですが、単純ですので、チームメンバーも気楽にできていいかもしれませんね。
詳細は、下記のコラムをご覧ください。
第72回 振返りのフレームワーク:KPT(けぷと)
第96回 ゲームストーミング(3)〜プラス・デルタ
などがありますので、ぜひ、チームビルディングとしても、ご利用ください。
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※Zoomによるオンライン開催です
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※ハーフセミナー、ナイトセミナーは、事前学習が3時間あります。
※少人数、双方向にて、演習、ディスカッションを行います
講師:鈴木道代(プロジェクトマネジメントオフィス,PMP,PMS)
詳細・お申込 https://pmstyle.biz/smn/conceptual_pm.htm
主催 プロジェクトマネジメントオフィス、PMAJ共催
※Youtube関連動画「コンセプチュアルスキルとは(前半)」「コンセプチュアルスキルで行動が変わる」
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【カリキュラム】
1.VUCA時代に必要なコンセプチュアルなプロジェクトマネジメント
2.プロジェクトへの要求の本質を反映したコンセプトを創る
3.コンセプトを実現する目的と目標の決定
4.本質的な目標を優先する計画
5.プロジェクトマネジメント計画を活用した柔軟なプロジェクト運営
6.トラブルの本質を見極め、対応する
7.経験を活かしてプロジェクトを成功させる
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著者紹介
鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
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