◆マルチプロジェクトにはコンフリクトが発生する
前回は、小規模プロジェクトのプロジェクトのマネジメントでは、「目的を中心に考える」ことが重要であるが、それは常に目的について意識することだ、と述べました。
目的を中心に考える(2)
今回は、マルチプロジェクトマネジメント、つまり、複数のプロジェクトのマネジメントについて、考えてみます。
過去のコラムにて、小規模プロジェクトのプロジェクトマネジャーは複数の小規模プロジェクトのマネジメントを担当することが多く、チームメンバーが少ないため、プロジェクトマネジャーも作業を担当することが多い。そのため、
・メンバーのセルフマネジメント
・計画的なコミュニケーションマネジメント
・個別のプロジェクトに対する柔軟性のあるプロジェクトマネジメント
がポイントとなると述べました。
第6回 小規模プロジェクトの複数プロジェクトのマネジメント
第7回 小規模プロジェクトの複数プロジェクトのマネジメント(2)
メンバーが自分のジャグリングを自己リーダーシップを発揮し、優先度(重要度と緊急度)の高い作業から効率よく進めて行っていくセルフマネジメントができるようになりつつある、とします。
それでは、プロジェクト・マネジャーは何をすべきか、となってきますが、もちろん、自分の作業がある場合は、作業に対しての責任を持つと同時に、複数のプロジェクト全体に対してマネジメントを行っていく必要が当然のことながら、あります。
そこで必要なことが、
・計画的なコミュニケーションマネジメント
・個別のプロジェクトに対する柔軟性のあるプロジェクトマネジメント
です。
コミュニケーションにつきましては、以下のコラムをご参照ください。
はじめてのプロジェクトマネジメント
第19回 再び、コミュニケーションって?
次に、個別のプロジェクトに対する柔軟性のあるプロジェクトマネジメントについてです。
複数のプロジェクトをマネジメントしていますと、必ず、コンフリクト(衝突や競合)が発生します。
発生するコンフリクトには次の6種類のコンフリクトがあり、これらを解決するために必要なことがプロジェクトの優先度です。その優先度はいちがいに決めることはできませんが、優先度がないと、競合の解決に一貫性がなくなってしまい、決めることが重要です。
・プロジェクトの競合目的を持つプロジェクトの実施に関する競合
・リソース競合
・調達の競合
・スコープ競合
・コスト競合
・リスクの競合
優先度が決まっていて、そして、どのようにコンフリクトを解消するのか、それは次回に。
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鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
本連載は、PM養成マガジン購読にて、最新記事を読むことができます。