◆キャッチアップの時間も考えよう
複数のプロジェクトをマネジメントする場合、プロジェクトマネジャーは、参加しているメンバーがどのプロジェクトに参加し、週に何時間どのプロジェクトのどの作業を実施するのかを把握する必要があります。
メンバーのセルフマネジメントはもちろん、重要なのですが、プロジェクトマネジャーはメンバーに任せるとともに、必要な支援を行うために、作業時間を把握しておきます。
その把握の方法ですが、週単位に、プロジェクトの作業単位別に作業時間をリストアップし、合計が40時間を越えないように、作業を割り当てていきます。
ただし、セルフマネジメントのための管理の時間として週に2時間(プロジェクトマネジャーは16時間)、トラブル対応などのキャッチアップの時間のために週に4時間を必ず含めて、40時間に収まるようにしていきます。
全く、その時間が入らない場合は、次の週に持ち越して、次の週に8時間取ります。
つまり、週に4時間の作業(約半日)は、次週に持ち越しても、次週で取り戻せるように計画しておきます。
管理の時間も必ず週に2時間とっておき、予備時間が週に何時間あるかを管理し、複数のプロジェクトをまとめた作業時間一覧表を作成し、新しいプロジェクトが追加され、作業の割当をする場合、予備時間の最も少ないメンバーを優先し、そのメンバーしかできない作業のスケジュールを優先して計画していきます。
例)あるメンバー(佐藤さん)の6月の作業時間一覧表
A B C
管理 キャッチ 計 予備
プロジェクト プロジェクト プロジェクト アップ
----------------------------------------------------------------------------
6/01〜05 40 2
0 42 -2
6/08〜13 10 20 2 8 40 0
6/15〜20
5 10 2 4 31 9
6/22〜27 30 10 2
0 42 -2
例)全員の6月の予備時間一覧表
佐藤 鈴木 高橋
-------------------------------
6/01〜05 -2 5
10
6/08〜13 0 20 20
6/15〜20 9 8
30
6/22〜27 -2 10 4
計 5 43 64
したがって、Dプロジェクトが追加された場合には、佐藤さんのスケジュールを優先して、計画を作成します。(次回に続く)
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鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
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