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消去法ではなく、Tチャート、2軸で考えるポートフォリオ、3軸で考えるステークホルダー影響グリッドを使いこなせば、妥当な案を選ぶことができる

第182話 コンセプチュアルな人々(5)システム思考の因果ループ図(2024/05/21)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木道代

◆システム思考

著者は、システム工学科という学科をはるか昔に卒業しています。もう、覚えていることは少ないけれど、カタカナの学科に少し憧れを持ったものでした。入学時に自己紹介をする場面がありました。
自分が何を話したかを全く覚えていませんが、ある同級生が「ロケットを作りにこの学科へ来ました」と言ったことを鮮明に覚えています。
誰がそう言ったのかは覚えておらず、クラス会でいつも話題にするのですが、名乗り出る人はいません。自分も何を話したのかは覚えていませんので、当たり前かもしれませんが。
当時、唐津一さんの書籍「システム工学(講談社現代新書)」が出版され、話題になっていました。うろ覚えですが、「ロケット打ち上げはシステム工学の粋だ」との一文があり、それで彼は、システム工学科を受験したのかもしれません。あの書籍を読み、そう思った彼に少し同情しつつも、その結論には納得することはできませんでしたが。

制御工学、材料力学、流体力学、熱力学、線形代数、オぺーレーションズリサーチ、など、種々雑多な講義を受けましたが、コンピュータ理論、グラフ理論、統計学、制御理論などは頭の片隅に今も残っています。
それらが、プロジェクトマネジメントに役立っているような気がしています。プロジェクトマネジメントは、スコープ、コスト、スケジュールのバランスを取るものであり、トレードオフを統合的に考えるものです。2つ以上の要素が時間を追って複雑に関係しあうもの、つまりシステムと考えることができます。

システム思考は、システムの構造を捉えて問題解決をする手法です。システムの構造とは、ある現象が発生すると、その事象発生にはパターンがあり、その背景には構造があるということです。
現象だけを見て問題を解決しても、同じパターンの現象がたびたび発生し、そのパターンの問題の解決をしても、裏には別の事象やパターンがあり、本当の問題解決はできないということです。この考え方は、問題解決に欠かせないものであり、プロジェクトマネジメントはシステムですので、プロジェクトマネジャーには必須のスキルと言えます。

◆因果ループ図

システム思考のツールの1つとして、因果ループ図があります。問題を定義し、それに関する変数(時間の経過とともに変化する要素)を洗いだし、変数間の因果関係を矢印で示し、問題の構造を図式化するツールです。
頭の中が整理され、またチームで問題の構造を図式化することで、ひとりでは気づかないことの共有や、多様性のある視点、視座、視野に気づくことができます。
PMstyleの研修、セミナーでは欠かすことのできない演習となっています。因果ループ図の詳細については、下記コラムを参照してください。

 PMの道具箱  第77回 システム思考のツール:因果ループ図

システム構造のなかの、現象は、目に見えている具体的なものです。パターンはそのある現象をまとめてパターン化したもの、構造は、それらの背景全体を描いたものです。

現象   :具象的なもの、ほとんどの人が発見できる
パターン :現象を抽象化したもの
      主観的な意見もあれば、客観的なものもある
      具象的な考えしかできない人には発見できない場合がある
構造   :大局的に考えることで、作成できる
      矢印は論理的、分析的に判断することで記入できる
      全体を見渡すことで、レバレッジポイント(本質な問題)を発見することができる
      コンセプチュアル思考の形象の世界で生きていると、考えつかない場合がある

変数の洗い出しには、直観的に思いつくことも重要です。時間がたってから現れる結果については、矢印にその記号をつけて長期、短期を表現します。このように、因果ループ図は、コンセプチュアル思考の5軸の往復を行って作成します。

研修、セミナーでの因果ループ図の演習は、1回目から描くことができる方もいますが、ほとんどの方は、ちんぷんかんぷんかもしれません。が、たいていの方は2回めには理解が進み、かなり描くことができています。

私たちは、因果ループ図描画のプロになる必要はありません。このような考え方ができればOKです。
変数の洗い出しにつまずくことが多いようです。つまり、抽象的・具象的の往復です。次に、因果関係が怪しく、雰囲気的な因果関係に納得している場合があります。そこは、必ず、突っ込むようにしています。

まずは、抽象的に考えること、そして、因果関係をクリティカルシンキングで疑うことが重要です。そこをクリアすることで、空間軸である大局的・分析の往復、時間軸である長期的・短期的の往復ができるようになります。

因果ループ図的考えができる人は、コンセプチュアルな人々です。

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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得

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