No70. 合意を形成する《一般》(2019.11.05)
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【目的】提案の実行に対するチームのサポートを得る
【用途】チームの同意を得て、行動計画に合意を得る
【効用】チームのパフォーマンスが向上する
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◆チーム全員の合意を得る
通常の問題解決は、意思決定プロセスにて行いますが、プロジェクトの状況によっては、アイデアを実行する際に、チーム全員賛成を得る点において、以下のプロセスが有効です。
意思決定については、下記のコラムもご参照ください。
PMstyle Kit No46. 意思決定の方法(1)
1.計画する
2.ミーティングを行う
3.アクションを実行する
「1.計画する」では、状況の概要についてまとめ、いくつかの意見を挙げます。自分の意見には固執せず、いくかのオプション(他の意見)も準備します。
そして、同意を得る、サポートを得るために必要なチームメンバーや他のステークホルダーを特定します。
意思決定のためのいくつかの視点、例えば、ベネフィット、コストや他の反論などを予想し、可能な限り応答を準備します。もちろん、各ステークホルダーの立場からの意見を想定し、応答を準備します。
そして、それらの分析やプロジェクトの状況、そして自分の提案をまとめ、その案のベネフィットとコストを予測します。もし、公式なプレゼンテーションが必要であれば、プレゼンを入念に準備し、リハーサルを行います。
また、自分の提案についての反論を予測するためのツールとして、Tチャートなどが有用です。Tチャートについては、下記のコラムをご参照ください。
PMの道具箱
第82回 Tチャート:バランス感のある意思決定をする
第84回 Tチャート(2):バランス感のある意思決定をする
◆取捨選択ではなく、意見の抽象化、統合化
次に、「2.ミーティングを行う」では、ミーティングを開催する日時、場所、参加者(提案に対して同意を得る必要のあるステークホルダー)を決め、出席の約束を得ます。
ミーティングでは、状況の説明と解決策の提案を行い、意見を問いますが、できるだけ、批判、懸念、反論が出て来るような問いかけを行い、それらを「1.計画する」で準備した反論に対する応答が出てくるような質問や、新しい意見が出てくるような質問を投げかけ、議論を活発化することで、全員で検討を行います。決して、自分が決めた落しどころに強引に誘導するようなことは行わず、質問によるファシリテーションにて、全員が合意できる案を見つけていきます。
そのためには、どちらかを選ぶという取捨選択ではなく、意見の抽象化、統合化が行えるようなファシリテーションを心がけます。
最後に、「3.アクションを実行する」ステップですが、合意できた提案、もっと言えば、話し合いで決めた提案は、自分が決めた提案ですので、その後の行動については、もちろんコミットメントをもって実行できるはずです。
こちらのコラムもご参照ください。
PMの道具箱 第51回 チームによる問題解決
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・心理的安全性
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著者紹介
鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
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