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No71.顧客ヒアリング《一般》(2019.12.28)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木道代

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【目的】適切な成果物を顧客に提供するために、顧客ヒアリングを有効に行う
【用途】顧客ヒアリングの有効化を行う
【効用】顧客との信頼関係が高まり、有効なヒアリングを行える
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◆顧客ヒアリングの重要性

プロジェクトには目的があり、その目的を実現するために、目標を設定しますが、当然のことですが、プロジェクトのステークホルダーである顧客にも目的があります。

その顧客の目的を実現するために顧客が課題としていることを聞き取り、その課題を解決するためのソリューションを提供することが、プロジェクトの目的の一つです。ですので、プロジェクトの目的を実現するためには、顧客が課題としていることが何なのか、また、その課題を解決するためにプロジェクトが提供しようとしているソリューションは、顧客にとって適切であるかどうかを確認する必要があります。

そのために、顧客から課題を聞き取る、また、ソリューションについての疑問点などを聞き取り対応する、そして、提供しようとしているソリューションの詳細についての要望を聞きとる、問題が発生し、顧客はどのような解決の方向性を考えているのかなど、プロジェクトが進行するにしたがって、何度も顧客と面談し、ヒアリングをする場面が出てきます。

◆顧客ヒアリングのステップ

顧客ヒアリングは、次のステップで行います。

1.ヒアリングについて計画する
2.ヒアリングを行う
3.ヒアリング結果を記録する

「1.ヒアリングについて計画する」において、重要なことは、何のためにヒアリングを行うのか、ヒアリングした結果を、どのようにプロジェクトに反映するのか、です。

「PMの道具箱」コラムでは、「重点課題記述書」にて、目的、反映方法、誰がヒアリングを行うのかなどを定義し、「標本選択」にてヒアリング対象のステークホルダーを決定し、「討議ガイド」にてヒアリング項目(質問)を決めることを取り上げています。詳細は、下記コラムをご参照ください。

 第2回 顧客ロードマップ 

そして、計画として、ヒアリング相手との面談日時を調整し、ヒアリング項目を決めヒアリングを録音する機器を準備します。
また、ヒアリングは一人では行わず、少なくとも二人で行い、同行者は記録を行います。もし、ヒアリング相手と1回しか面談できない場合があれば、ヒアリング項目について、全て聞き取りができるように、ヒアリングの手順などを周到に準備します。ヒアリング相手が別言語を話し、こちらがその別言語に堪能ではない場合は、通訳者も準備します。

「2.ヒアリングを行う」においては、計画に従って、ヒアリングを行います。自己紹介後、録音の許可を求め、許可を得られない場合は、同行者がもれなく、完全に記録を行えるように、進行はゆっくりめに行います。
また、ヒアリングは顧客の課題や要望を顧客から教えていただく、というこちらの学習です。こちらからの質問に対して、顧客が話す、そして顧客が考えて話すということが重要ですので、こちらはできるだけの時間を傾聴に注ぎます。

「顧客の声」を聴くために、顧客の答えだけではなく、顧客の反応、顧客の動き、などにも十分に気をつけます。

また、ヒアリング後、早期にお礼のメールや電話などで感謝を示し、ヒアリング時に回答できなかった顧客からの質問について、回答もしくは回答できる時期をお知らせします。

「3.ヒアリング結果を記録する」において、ヒアリング結果の要約を作成し、結果の分析を行い、それらを文書化します。そして、その分析結果がスコープ知識エリアのプロセス「要求事項収集」のアウトプットとなり、そして、「スコープ定義」のアウトプットとして反映します。

また、そのプロセスの中で、ヒアリング項目の追加の必要性が出てきた場合には、プロジェクトレビューなどの機会を利用し、追加項目のヒアリングを行います。

以上の手順で行いますが、最も重要なことは、ヒアリングの目的やヒアリング結果の反映方法を事前に決めておくことです。

やみくもにヒアリングを開始することは、オリンピックは参加することに意義があるように、顧客へのヒアリングは行うことに意義があると思っているとしか考えられません。

何事も目的とその結果の反映方法、そして事前準備が重要です。

目的やヒアリング結果の反映方法を決めずに、やみくもにヒアリングを開始することは、オリンピックは参加することに意義があるように、顧客へのヒアリングは行うことに意義があると考えているとしか思えません。

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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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