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どのようなステークホルダが、プロジェクトにどのような要求と期待をもっているかを常に、気を配っておくこと、指揮系統の問題に「曖昧さに対して、寛容になる」こと

第1回 リーダーシップ(1)〜4つのリーダーシップの役割(2012.05.15) 2/3

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人

リーダーシップ(2)〜リーダーシップの活動

リーダーシップ(3)〜リーダーシップの行動

◆ステークホルダの特定


ステークホルダの特定は、プロジェクトマネジメントの活動としておこなわれることが多い(たとえば、PMBOK(R)はマネジメントプロセスとして明記されている)。リーダーシップ行動として求められるのは、どのようなステークホルダが、プロジェクトにどのような要求と期待をもっているかを常に、気を配っておくことである。

つまり、以下のような行動が必要になる。

・ステークホルダを素早く見つけ、プロジェクトへの要求と期待を常に把握しておく
・ステークホルダとの間に人間的な信頼関係を築く
・個々のステークホルダの流儀に合せて、コミュニケーションをとっていく
・問題に遭遇したとき、よりよい解決策を探して、多様なステークホルダの意見を、自発的に取り入れていく。


◆指揮系統の問題


プロジェクトを実行する際に、もっとも厄介な問題は、組織の問題かもしれない。組織の問題はプロジェクト側の関心としてはメンバーの時間の使い方、それも、月間の時間とかではなく、日々の時間の使い方であり、その背景にあるのが所属組織の指揮系統の問題や、複数のプロジェクトに参加している場合の輻輳の問題である。

基本的にこの問題の特効薬はない。リーダーシップとしてまず考えるべきことは、「曖昧さに対して、寛容になる」ことだ。よくよく考えてみると、「管理」的な視点からみれば、非常に深刻な問題なのかもしれないが、仕事という面から見れば、そんなに深刻な問題ではない(所属元が悪意を持って統制していない限り)。そう考えれば、放っておけばよい。自信がないプロジェクトマネジャーは動く。動くとややこしくなるばかりだ。マトリクス組織で、どちらの業務の優先するかなど、答えはないからだ。

その中で、メンバーに対して

・メンタリングをする
・日常業務に対して、ボランティア的な支援をする
・適切な業務の進め方に対して、率直な意見を述べる

といったくらいはしてもよいかもしれない。ただし、良かれと思ってしたことに、背びれ尾びれがついて、揉め事になることもあるので、細心の注意が必要だ。


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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「コンセプチュアル・マネジメント(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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