◆ステークホルダーバランスシート
プロジェクトでは、ステークホルダーとの信頼関係を構築し、協力を得ることが不可欠です。
にも関わらず、関係がぎくしゃくし、打合せをしても、賛成どころか、反対されることが多く、全く物事が進まなかったり、約束していても守られたためしがない、という話もよく聞きます。
以前、PMstyleセミナーをご受講いただいた方が、
・約束していた日に訪問しても、急な外出などで、その人とは打合せができないことが多い
・その人は、事前に電話で確認していても、当日、忘れていて、どこかに行っている
・その人と打合せをしないと作業が進まないのに、いつも誤魔化される
などとおっしゃっていました。いつも約束を反故(ほご)にされるそうです。
もう少し、話を聞きますと、その人は、どうも受講者の方だけにそのような態度をとられているようでした。
このような場合は、相手(ステークホルダー)に怒りをぶつけるだけでは、プロジェクトは進みません。
替りが見つかるステークホルダーであれば良いのですが、そうではない場合の解決策は、関係性を改善するしか方策がありません。
影響力の法則
を使って、関係性を構築する方法もあるのですが、ここでは、相手(ステークホルダー)を変えることは金輪際できないのだから、自分が変わことを考えてみましょう。
自分がどう変われば、相手(ステークホルダー)との関係性が改善されるのでしょうか?
ステークホルダーバランスシートを使って、自分が変わりましょう!!
ステークホルダーバランスシートでは、次の5つの視点で自分がプラスの行動をしているのか、マイナスの行動をしているのかで、行動を振返っています。
┌─────────────┬─────────────┐
│プラスの行動 │マイナスの行動 │
├─────────────┬─────────────┤
│約束を守る │約束を破る │
│期待を上回る │期待を裏切る │
│相手の都合で決める │自分の都合で決める │
│まず、自分の責任を問う │まず、相手の責任を問う │
│共通点を見つけるために聴く│相違点を見つけつために聴く│
└─────────────┴─────────────┘
そして、マイナスの行動をしているのであれば、その点において、プラスの行動に変えるための取り組みを考えて、行動することで、自分が変わり、相手との関係性を改善するための行動計画です。
┌─────────────┬──┬─────────────────┐
│プラスの行動 │評価│マイナスをプラスに変えるための行動│
├─────────────┼──┼─────────────────┤
│約束を守る │− │約束の日に、必ず報告をする │
├─────────────┼──┼─────────────────┤
│期待を上回る │− │相手が気づいていないビジネスの方法│
│ │ │を提案する │
├─────────────┼──┼─────────────────┤
│相手の都合で決める │− │相手がなぜそのように考えるのかを │
│ │ │熟考する │
├─────────────┼──┼─────────────────┤
│まず、自分の責任を問う │− │相手に99%の責任があっても、自分│
│ │ │の1%の責任から考える │
├─────────────┼──┼─────────────────┤
│共通点を見つけるために聴く│− │相手の意見と自分の意見の共通点を │
│ │ │探しながら議論する │
└─────────────┴──┴─────────────────┘
顧客、上位組織者、チームメンバーなどの重要なステークホルダーでありながら、いろいろな面で協力を得ることができていない場合、マイナスの行動をとっているのであれば、上記のマイナスをプラスに変えるための行動を常に心がけ、実際に行動することで、相手(ステークホルダー)との関係性を構築していきませんか?
自分の行動が変われば、ステークホルダーとの関係性は、必ず、変わります。
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━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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講師:鈴木道代(株式会社プロジェクトマネジメントオフィス,PMP,PMS)
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【カリキュラム】
1.ステークホルダーマネジメントとは何か
2.ステークホルダーの特定
・(演習2)ステークホルダーリスト
3.影響力の法則(R) ・影響力とは何か?
・(演習3)カレンシーを考える
4.概念的に考えて具体的に行動する・コンセプチュアルスキルとは
・本質を見極める
・洞察力を高める
5.ステークホルダーと良い関係を作る
・(演習5)期待と要求のロールプレイ
6.まとめ
・(演習6)カレンシーを再考する
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鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
本連載は、PM養成マガジン購読にて、最新記事を読むことができます。