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第65回 コミュニケーションログとエンゲージメントマネジメント(2014/06/13)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木 道代


◆コミュニケーションログとエンゲージメントマネジメント

前号では、コミュニケーションログについて、書きました。
 PMの道具箱(64) コミュニケーションログ

その中で、コミュニケーションログは、コミュニケーションマネジメント計画書が確実に実行され、結果が良好または、不調だったかどうか、また、不調の場合にどのようなフォローをお行ったかを記録する文書と書きました。

このようなコミュニケーションログを、別の使い方をして、プロジェクトのパフォーマンスを上げる方法をご紹介します。

PMBOK(R)第5版では、新しい知識エリアとして、ステークホルダーマネジメントがコミュニケーションマネジメントから独立しました。

概ね、ステークホルダーのプロジェクトに対するエンゲージメントをマネジメントする、エンゲージメント高めるためのマネジメントです。

では、エンゲージメントとは何かと言いますと、

社員が惚れる会社の作り方』(舞田竜宣 著、日本実業出版社,2009)

によると、

・働く人が幸福で
・会社に愛着を持ち
・成果を挙げて貢献しようと思うこと

とあります。会社をプロジェクトに置き換えますと、プロジェクトにおけるエンゲージメントとは、

『ステークホルダーが幸福で、プロジェクトに愛着を持ち、成果を挙げて貢献しようと思うこと』

です。

つまり、ステークホルダーにプロジェクトに惚れる気持ちを持ってもらうために、ステークホルダーマネジメントを行うこととなります。

また、『社員が惚れる会社の作り方』では、エンゲージメントを高めるための着眼点として、

・オーガニゼーション(組織構造)
・リレーション(人間関係)
・ワーク(仕事)
・ライフ(生活)
・キャリア(未来の自分)

を挙げています。上記の5ポイントにおいて、社員が幸福であると感じることによって、会社に愛着を持ち、成果を挙げて貢献しようという気持ちが生まれてくるそうです。

まず、幸福であると感じることが重要ですので、プロジェクトにおいても、このプロジェクトに参加できて良かった、という気持ちを持ってもらうことが重要です。

例えば、チームメンバーのエンゲージメントを高めるために、

・職場にグリーンや空気清浄機を設置し、環境を良くする
   ←ここにいると気持ちが良く、仕事がはかどり、嬉しい

・チームメンバーにキャリアパスを示す
   ←このプロジェクトでは、このキャリアに必要なスキルを身につけよう

・プロジェクト名をチームメンバー全員で考える
   ←自分もこのプロジェクトの意思決定に参加したという充実感を感じる

・コミュニケーションをよくするために、挨拶を奨励する
   ←挨拶によって、気分が高揚し、かつ、相手とのラポール(信頼関係)を築く
など、あらゆる面で、しかも、あまりコストをかけずにできることが多くあります。ぜひ、実施してみましょう。

また、『社員が惚れる会社の作り方』では、コミュニケーションログをつけることでトップが現場の従業員の心のスイッチをつけることができるとも書いています。

そのコミュニケーションログは、行に従業員名(バイネーム)、列に日付を記入し、一言でも話した日に『○』をつけ、そして、特に感謝や称賛の言葉をかけた日には『◎』をつけます。

このログを眺めて、自分のコミュニケーションを反省し、「話していない従業員」に話しかけることを心がけるそうです。

以外と全員に話しかけているつもりになっていても、実際の記録であるログを見ると愕然とし、如何に、自分がコミュニケーションをとっていないかに気づくそうです。

プロジェクトマネジャーも同様に、コミュニケーションログをつけることによって、コミュニケーションに対する問題があぶり出されてくるのではないでしょうか。コミュニケーションの問題は、意外と自分かもしれません。



◆エンゲージメント・マネジメントに関連するセミナーを開催します
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       ※ハーフセミナー、ナイトセミナーは、事前学習が3時間あります。
       ※少人数、双方向にて、ディスカッション、ロールプレイを行います
  講師:鈴木道代(株式会社プロジェクトマネジメントオフィス,PMP,PMS)
  詳細・お申込 https://pmstyle.biz/smn/influence20.htm
  主催 プロジェクトマネジメントオフィス、PMAJ共催
  ※Youtube動画「ステークホルダーマネジメント
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2.ステークホルダーの特定・プロジェクトのパラメータ
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4.概念的に考えて具体的に行動する
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 ・本質を見極める
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5.ステークホルダーと良い関係を作る・WinWinの関係
 ・(演習5)期待と要求のロールプレイ
6.まとめ
 ・(演習6)カレンシーを再考する
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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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