◆コミュニケーションログ
PMBOK(R)ガイド第5版の日本語版が2月に出版され、すでに皆様のお手元にもしくは部内や社内のどこかには探せば、あるのではないでしょうか。
第5版で、どこが大きく変わったのか、については、以前メルマガに掲載しました記事にまとめています。
ステークホルダーマネジメント
第1回 PMBOKガイド(R)第5版で新知識エリアに
その中で、実行プロセス群は「マネジメント」、監視・コントロールプロセス群は、「コントロール」の名称に統一されています。と書いています。
要するに、監視・コントロールプロセス群は、作成した計画と実行した結果である実績を比較し、このまま計画を続行するのか、それとも再計画が必要なのかをチェックするプロセス群です。
いわゆる、進捗のチェックですね。タイム知識エリアであれば、スケジュールの進捗チェック、コスト知識エリアであれば、コストの進捗チェックです。
すると、コミュニケーション知識エリアの監視・コントロールプロセス群である『コミュニケーション・コントロール』は、意味合い的には、コミュニケーションの進捗チェックとなります。
以前のプロセス名が、『実績報告』であり、なんとなく、プロジェクト全体の実績の進捗報告のイメージでした。第5版でも、
インプット:
・プロジェクトマネジメント計画書
・プロジェクト伝達事項
・課題ログ
・作業パフォーマンス・データ
・組織のプロセス資産
ツールと技法:
・情報マネジメント・システム
・専門家の判断
・会議
アウトプット:
・作業パフォーマンス情報
・変更要求
・プロジェクトマネジメント計画書更新版
・プロジェクト文書更新版
・組織のプロセス資産
と、進捗報告の結果を分析し、報告書をまとめ、計画書を更新するというイメージになっています。
ところが、『コミュニケーション・コントロール』とすると、コミュニケーション・マネジメント計画書にあるコミュニケーションが実行されたかどうか、その結果が期待されていたことを実現しているかどうかをチェックするプロセスであるはずです。
また、実行プロセスである『コミュニケーション・マネジメント』プロセスは、粛々と計画書を実行するプロセスのはずです。
ですので、そのどちらかには、コミュニケーションの実行結果を記録する『コミュニケーションログ』がアウトプットとして、必要なのではと、PMstyleは考えます。
それでは、コミュニケーションログに何を記載するのか、ということになりますが、PMstyleでは、以下の項目を挙げています。
・コミュニケーション名(計画書に記載されている名称)
・実施日、場所
・コミュニケーション・オーナー(そのコミュニケーションの実行責任者)
・コミュニケーションの結果(不調だった場合は、そのフォローを記載する)
・書類保管場所
コミュニケーションの詳細は別途、書類として残し、ログには、実施したかどうかを残していきます。
ログは、マネジメントの実施結果ですので、どのようにコミュニケーション・マネジメントを行ったかを、ログを記載することで残すことができます。
言い換えますと、ログを見れば、マネジメントの推移が分かるということです。
プロジェクト完了後の振返りだけではなく、プロジェクト内やステークホルダーとのコミュニケーションの頻度をプロジェクト途中に振返ることによって、足りないと感じるコミュニケーションや、必要だと思うコミュニケーションがあれば、再計画を行い、作成した計画に従って、コミュニケーションオーナーがコミュニケーションを実施することで、より、有効なコミュニケーションになると考えられます。
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鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
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