第135回 2軸で考える(1)(2021/01/08)
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◆置き換えて考える
これまで、複数のセミナーの講師を担当してきました。
受講者の方が、ちんぷんかんぷん、という顔をされている時には、説明をより丁寧に、また、他のことに例えて、説明をしてきました。
講師歴は結構長く、新卒で入社した会社にて2年目から、情報システム部の新入社員教育を担当していました。また、退社後は、専門学校の非常勤講師として週何時間か講義を担当してきました。
「ハードウェア」の講義の際には、データレコードをみかん、ブロッキングをお盆、データエリアをテーブルに例えながら、「ブロッキング」の説明をしていましたので、生徒から、今度は何に例えてくれるのかか楽しみだ、とも言われていました。
あまりレベルの高い学校ではなかったため、「わからない」という固定概念が先に立ち、「みかんをテーブルに運ぶためには、1個ずつ運ぶのではなく、お盆で運んだ方がいいでしょ」というあまりにも当たり前の説明でも、データレコードとみかんを結びつけて考えることができず、「わからない」という答えしか返ってこない生徒もいました。
ある企業の「プロジェクトコミュニケーションマネジメント」研修でのアンケートにて、「ポジティブフィードバックを先にして、その後、こうするともっと良くなるよ、というネガティブフィードバックをすると効率的。子供を叱る際にもその方が良い、と感じたことはありませんか」という話があったが、自分は未婚だし子供がいないからわからない、というコメントがありました。子供がいない人には、育児に例えても分からないのか、と思うとともに、子供ではなく自分の後輩で考えてみる、立場を変えて自分が子供の時を考えてみる、などが難しいのかな?とも思いました。
何故、後輩や自分の子供の頃に置き換えて考えられる人とできない人がいるのでしょうか?それは、形象の世界だけで考えているかどうかのようです。
また、ネガティブフィードバックとポジティブフィードバックを併用する場合は、ポジティブフィードバックを先にした方が良い、という概念の世界での考えを、自分の子供や後輩、自分の子供の時で考えることは、形象の世界に置き換えて考えているということです。
フィードバックについては、こちらのコラムをご覧ください。
PMの道具箱 第14回 ポジティブ・フィードバック
置き換えができるかどうかはコンセプチュアルスキルが高いかどうかとニアリーイコール(ほとんど等しい)だと思うようになりました。
◆2軸で考える(1)
もう一つ、ニアリーイコールと思うことがあります。
形象でも概念でもいいのですが、それらを分類する際に関連のない2軸で4象限に分類することができるかどうかです。
例えば、ステークホルダー影響グリッドという、ステークホルダー分析のツールがあります。
詳しくは下記コラムをご覧ください。
PMの道具箱 第10回 ステークホルダー影響グリッド
本ツールは、プロジェクトのステークホルダーを、横軸を「ステークホルダーのコミットメント」、縦軸を「ステークホルダーの支援の重要性」とし、各ステークホルダーが4象限のうち、どの象限に入るのかを分析し、重要なステークホルダーに対してどのようなマネジメントが必要か、を考えるためのツールです。
2軸で考える場合、横軸が時間軸ですと、縦軸と現在、過去、未来を考えるだけですので、グラフ感覚で、割と、簡単に考えることができるそうです。
また、縦軸と横軸に何か関連がある場合も、相関関係が正なのか、負なのかを考えるだけですので、とても、簡単のようです。
しかし、関連のない2軸を選び、その2軸で分析することがとても難しいようです。
2021年は、『2軸で考える』をテーマに取り上げたいと思っています。
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講師:鈴木道代(株式会社プロジェクトマネジメントオフィス,PMP,PMS)
詳細・お申込 https://pmstyle.biz/smn/conceptual_skill.htm
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※Youtube関連動画「コンセプチュアルスキルとは(前半)」「コンセプチュアルスキルで行動が変わる」
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3.洞察力を高める
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著者紹介
鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
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