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第117回 OODAサイクル(4)〜Decide(決定)は仮説の決定である(2018/12/14)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木 道代


1回目では、米国空軍パイロットのジョン・ボイド氏が提唱した思考法、意思決定理
論である、OODAサイクルの概要、Observe(観察)、Orient(方向づけ)、
Decide(決定)、Act(行動)の4ステップをご紹介しました。

第113回 OODAサイクル(1)〜PDCAとOODAの統合

第115回 OODAサイクル(2)〜観察(Observe)は具体的なモノを見る

第116回 OODAサイクル(3)〜方向づけ(Orient)は状況判断をする

本号では、第3ステップである「Decide(決定)」をご紹介します。

●Decide(決定)は仮説の決定である

OODAサイクルの第1ステップの「観察(Observe)」では、とにかくよく相手を観察し、どこに重心や致命的脆弱性があるかを見抜き、その観察結果と下記のポイントから洞察を行い、何をすべきかを判断します。ポイントは以下のとおりです。

・文化的伝統:どのような組織文化を持っているか、どのような風土か
・従来の経験:これまでの経験から考えるとどのような方向付けが望ましいか
・新しい情報:観察(Observe)で新規に得た情報から考えられる方向性は何か。方向づけのステップにおいて、新たな観察が必要な場合は、第1ステップに戻り、観察を行い、そこで得た新たな情報も含んで判断を行います。
・世襲資産 :これまでに得られている資産(知識)から考えられる方向性は何か
・分析・統合:データの分析結果はどうか、統合すると、どのような方向性が望ましいか

第2ステップは、「方向づけ(Orient)」であり、過去の経験や知識を総動員して、何をすべか状況判断をするステップです。

第115回では、道路飛び出しにおいて、危ない場合は、それを避けるという反射行動をご紹介しました。

・Observe(観察):子供が歩道から車道に飛び出す
・Act(行動):母親はすぐに追いかけて、抱っこして歩道に戻る
       2度と飛び出さないようにと怒る(さとす)

つまり、反射行動は、「Orient(方向づけ)」、「Decide(決定)」のステップをとばしています。
会社などで、ルールや標準がこと細かく、具体的に決められている場合は、具体的な観察事象の結果から、ルールや標準に照らし合わせ、具体的な行動をとっていますので、反射行動と同様です。もしかすると、これらのことが考えることを阻害している原因なのかもしれませんね。

しかし、反射行動ではなく、「Orient(方向づけ)」のステップを行い、OODAサイクルを回すとしますと、例えば、

・文化的伝統:母親としてどうすべきか、この地域としての考え方はどうか
・従来の経験:母親としての経験、これまで生きていた経験から、車道に飛び出、車にひかれる危険性は少ない道路なので、子供の手を引っ張って、歩道に戻すよりも、追いかけて一緒に向こう側にわたった方が危なくない
・新しい情報:子供が飛び出した、すでに歩道から1m以上飛び出している、車幅は3m
・世襲資産:この道路は制限速度が30キロの道路であり、スピードを出す車はあまり通らない
・分析・統合:上記の情報から戻さなくていいと判断をする。ただし、本当に、車が近づいていないか、駐車場などから車が出てこないかを確認する必要があり、観察ステップに戻り、車を確認する。その結果、車が来ていないので、判断は妥当だと結論づける

つまり、「Observe(観察)」で得た具体的な事象を、「Orient(方向づけ)」において、文化的伝統、従来の経験、新しい情報、世襲資産などの観点から、具体的な事象を分析し、その結果を統合し(まとめて)、どうすべきかの方向づけ(判断)を概念的に決定します。

そして、「Decide(決定)」では、方向づけ(判断)の結果、行うべき行動を概念的に決定します。

例えば、
・車が来ていないので、向こう側にわたらせる
・どんなに危ない行為なのかを理解させる
・なぜ、飛び出したのかを考えさせる
・これから、どうすべきかを決めさせる

などを決定します。そして、次のステップの「行動(Act)」では、これらを具体的な行動に落とし、行動します。

ただし、行動した結果、意図した方向づけに従って状況が進まない場合、再度、「Decide(決定)」に戻り、再決定をしますので、決定はあくまでも仮説です。また、「Orient(方向づけ)」自体が妥当ではない場合は、再度、「Orient(方向づけ)」もしくは、「観察(Observe)」に戻ります。

次回は、第4ステップの「行動(Act)」をご紹介します。


【参考文献】
OODAループ「超」入門 著:夕撃旅団 パンダ・パブリッシング

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  6.OODAとアジャイルプロジェクトマネジメント
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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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