◆プロジェクトとステークホルダーマネジメント
本連載では、これまで、ステークホルダーマネジメントについて、PMBOK(R)に沿って、述べてきました。
本号では、そもそも、プロジェクトとは、そして、なぜ、ステークホルダーマネジメントが必要かについて、考えてみましょう。
1.プロジェクトは母体組織のためのベネフィットを生成する一時的な組織である
プロジェクトとは、有期的、独自性のある業務であり、会社の事業戦略を実行し、利益やその他の便益を実現するための業務です。
そして、それは、定常業務では実行することができないため、一時的に集まったメンバーが実行します。
2.プロジェクトチームは、ベネフィット実現に向けて、成果物を生成しなければならない
集まったチームメンバーはプロジェクトの目的(母体組織に提供するベネフィット)を実現するために、成果物を生成します。
3.プロジェクトの成果は、母体組織に肯定的、否定的または中立の影響があるベネフィットを約束する
プロジェクトで生成する成果物は、本来であれば、母体組織のためにベネフィットを提供するもの であるはずですが、その時点では、必ずしも母体組織に肯定的な べネフィットであるとは限りません。
4.プロジェクトステークホルダーは、プロジェクトに影響を与える、もしくはプロジェクトから影響を受ける個人またはグループである
プロジェクトには利害関係者としてのステークホルダーが存在し、それは個人また は、グループとして特定されます。
5.プロジェクトステークホルダーは、プロジェクトに対して、支援または妨害を行うかもしれない
6.ステークホルダーのプロジェクトへの貢献は、資金的なものと資金的ではないものがある
ステークホルダーは、プロジェクトに影響を与えますが、プラスの影響ばかりとは 限りません。
また、その影響には、金銭的なものとそれ以外のものが存在します。
7.貢献には、プロジェクトの公式な行動や非公式な行動がある
8.ステークホルダーがプロジェクトに貢献するためには、コストがかかる
ステークホルダーがプロジェクトに影響を与えるには、公式に活動する場合と非公
式に活動する場合があり、それらにはコストがかかります。
そして、そのコストは、ステークホルダー自身が負担することになる場合もあります。
9.ステークホルダーマネジメントは、プロジェクトの成功を高めるためのステークホルダーへの行動である
プロジェクトを成功させるためには、ステークホルダーの協力・貢献が欠かせません。例えば、顧客が仕様を決定しないと設計できませんし、上位層がOKしないとゲートを超えることができない場合などがあります。
そして、プロジェクトに影響を与えるステークホルダーからは、妨害ではなく支援 をしてもらい、貢献を受けるために、ステークホルダーへの働きかけが重要です。
プロジェクト側が何もしなくても、ステークホルダーに協力してもらえる、という のは、幻想であり、失敗の始まりです。
10.ステークホルダー分析は、ステークホルダー特定、ステークホルダーアセスメント、ステークホルダーの優先順位付けである
そのために、ステークホルダーを特定し、ステークホルダーを評価し、重要なステークホルダーに対し、ステークホルダーマネジメント計画を策定し、行動することが重要です。
次号では、さらに難しさについて、考えます。
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━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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日時・場所:【Zoom】2025年 02月 18日(火)9:30-17:30(9:20入室可)
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※Zoomによるオンライン開催です
※ナイトセミナーは、2日間です
※ハーフセミナー、ナイトセミナーは、事前学習が3時間あります。
※少人数、双方向にて、ディスカッション、ロールプレイを行います
講師:鈴木道代(株式会社プロジェクトマネジメントオフィス,PMP,PMS)
詳細・お申込 https://pmstyle.biz/smn/influence20.htm
主催 プロジェクトマネジメントオフィス、PMAJ共催
※Youtube動画「ステークホルダーマネジメント」
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【カリキュラム】
1.ステークホルダーマネジメントとは何か
2.ステークホルダーの特定・プロジェクトのパラメータ
・(演習2)ステークホルダーリスト
3.影響力の法則(R)
・(演習3)カレンシーを考える
4.概念的に考えて具体的に行動する
・コンセプチュアルスキルとは
・本質を見極める
・洞察力を高める
5.ステークホルダーと良い関係を作る・WinWinの関係
・(演習5)期待と要求のロールプレイ
6.まとめ
・(演習6)カレンシーを再考する
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鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
本連載は、PM養成マガジン購読にて、最新記事を読むことができます。