◆顧客価値に基づくプライシング
この連載の第1回「プロダクトマネジメントとは」において、プロダクトマネジメントを「プロダクトを通して顧客満足を生み出すために行うもの」と紹介した。そして、プライシングにおいても、この考え方に沿って考えれば良いことがわかる。
つまり、顧客にとって価値を与え、それを通して顧客満足を生み出すということを踏まえれば、プライシングは顧客に与える価値に基づいて決めるべきなのである。例えば、『価格と顧客価値のマーケティング戦略』の中では、現代のように市場環境が厳しくなってきた時代において「その中で成功するのは、提供価値に見合った価格(大多数の顧客にとって享受するベネフィットのコストとして適正と考えられる水準)と、事業にとって利益を健全に保てる価格(当該事業の価値を維持するために必要な再投資の原資を捻出できる利益水準)の両方を同時に達成できる企業である。したがって、価値を格付けるプライシングにいかに知恵を絞るかということが、決定的に重要になってくる」と、顧客価値に基づくプライシングの重要性を説いている。
新井 宏征
SAPジャパンにて、BI関連のソフトウェア導入業務に従事した後、2007年よりシンクタンク勤務後、2013年に独立。主に法人関連分野のコンサルティング業務に従事。主な著書に『スマートグリッドの国際標準と最新動向2012』、『グーグルのグリーン戦略』、訳書に『プロダクトマネジャーの教科書』、『90日変革モデル』などがある。
Facebook上でプロダクトマネジメントのグループも管理している。
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