No39. プロジェクトメトリクス(2)《一般》(2015.11.17)
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【目的】プロジェクトの状況を把握する
【用途】プロジェクトを評価するために定義したプロジェクトメトリクスを測定する
【効用】進捗を把握し、タイムリーな対策を実施する
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◆複眼的な視点
プロジェクトとは、複雑なシステムと考えられ、単一のメトリクスではプロジェクトの状況を把握するには十分でなく、複眼的な視点が必要です。
例えば、スケジュール通り作業は進んでいるけれど、納期優先のプロジェクトのため、1日でも遅れることは許されない、とのスローガンのもと、日々、残業に励んでいる場合などは、スケジュールが予定通りだけれど、コストは確実にオーバーしてしまいます。そのため、スケジュールとコストの双方を測定しないとプロジェクトの状況を把握することができず、コストオーバーという問題を発見することができません。
そのため、プロジェクトメトリクスは、下記の観点から、いくつかセットすることによって、最小数のメトリクスを定義します。
・客観性:複数の人が評価しても同様の結果を得ることができる
・入手しやすさ:簡単に収集することができる
・明瞭性:理解しやすいプロセスで収集でき、そのプロセスは変わらない
・頻度:データ収集の回数は、望むように設定できる
・重要性:メトリクスは意義のあるデータであり、その後のアクションを導くことができる
そして、定義したメトリクスを表示するためのデータシートを作成し、測定日にそのデータシートに記入し、傾向を判断するとともに、実績データをログとして残します。
◆測定ベースラインを確立
前回(PMsytle Kit No.38 プロジェクトメトリクス)で述べたように、メトリクスに
は3種類あります。
1.今後の予測:見積りと計画を分析し、これからの状況を予測します
2.診断データ:プロジェクト実行中の現在のデータを収集します
3.過去のデータ:完了したフェーズやプロジェクトから、レッスンズラーンドを残します
それらのメトリクスから現状のプロジェクトの状況を判断するためには、比較する計画データが必要であり、計画データのことをベースラインと呼んでいます。
ベースラインの詳細は次回にします。
◆メトリクスを収集するためのシステムを使う
定義されたメトリクスデータを収集するために、測定されたデータを入力し集計するためのプロジェクトマネジメント情報システム(PMIS)、例えば、MS
Projectなどが導入されていれば、それらのソフトウェアを使用し、メトリクスデータを収集します。
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著者紹介
鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
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