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No19. マルチプロジェクトマネジメント(1)《一般》(2014.09.12)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木道代

No14.から、著者が変わり、鈴木が担当しますので、よろしくお願いします。
50回程度の連載の予定です。

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【目的】マルチプロジェクトを成功裏に終わらせるロジェクトを成功裏に終わらせる

【用途】マルチプロジェクトのリソース計画を作成する

【効用】プロジェクトの優先順位決定プロセスが確立する

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◆マルチプロジェクトマネジメント(1)

本号から、マルチプロジェクトマネジメントについて取り上げます。

複数のプロジェクトをまとめてマネジメントすれば、それは、マルチプロジェクトマネジメントと呼ばれています。

そのマネジメントは、プロジェクト同士に相互関係があるかどうかによって、マネジメントが変わってきます。相互関係がある、とは、例えば、あるプロジェクトのアウトプットが、別のプロジェクトのインプットになるとか、あるプロジェクトが終了しないと次のプロジェクトが開始できないなどの関係がある場合です。

そして、相互関係があるだけではなく、一連のプロジェクトをまとめてマネジメントする場合はプログラムと呼ばれ、それはプログラムマネジメントの範疇となります。

複数のプロジェクトをまとめるというよりは、事業戦略を実現するためにプログラムがあり、プログラムを実行するために複数のプロジェクトを実行するという流れですので、このあたりは、詳しく掲載している別コラムを、ご覧ください。

●PMCoe戦略ノート
  【PMOコラム9】なぜ、プログラムマネジメントなのか

  【PMOコラム10】続・なぜ、プログラムマネジメントなのか


●プロジェクトを成功させるミドルマネジメント
  第2回 逆ピラミッドとプログラムマネジメント

●P2M(プログラム&プロジェクトマネジメント)早わかり
  第13回 P2Mにおけるプログラムマネジメントとは

  第14回 プログラムのアーキテクチャ

  第15回 PMI(R)のプログラムマネジメント体系


話をマルチプロジェクトマネジメントに戻しましょう。本号では、相互関係がない場合を取り上げます。

プロジェクト間に相互関係がない場合は、単純にリソースの問題となります。リソース(ヒト、モノ、カネ)、タイム、スコープをプロジェクト間で調整することが主なマネジメントになり、リソース計画が最も重要になってきます。

リソースについてなのですが、プロジェクトの意向のままにリソース(ヒト、モノ、カネ)を配分してしまいますと、よほど、ふんだんにある場合を除いて、必ず、手持ちのリソースが足りなくなり、各プロジェクトからの要求に対して、満足に配分することができなくなってしまいます。

そして、起こることは、カオス(混乱)状態になり、モラル低下、チームマネジメント欠乏、モチベーション低下などが発生します。

そこで、プロジェクトを成功裏に終わらせるためには、リソースを十分に割り当てることによって、上記のカオス状態から逸脱することが必要です。

全部のプロジェクトに要求されるだけ全部を割り当てることはできませんので、そのためには、やはり、プロジェクトの優先順位を決めて、その優先順位に従って、配分することになってきます。

ただし、その優先順位の決め方は、プロセスとして決めておく必要があり、そのプロセスは一貫性が重要なポイントとなります。

優先順位は、例えば、プロジェクト成果の価値が高いかどうか、プロジェクトの緊急度が高いかどうか、戦略に対して貢献が高いかどうか、コスト、プロジェクト期間などを考慮したプロセスを決めておいて、そのプロセスに従って決定します。

また、リソース計画は、それぞれのプロジェクトのアクティビティ単位の見積り(時間、コスト、資源)から、マルチプロジェクトの週単位のリソース計画として作成します。

その中では、最も優先順位の高いプロジェクトのベースライン(時間、コスト、資源)をまず、中心に記載し、そして、最も優先順位の高いプロジェクトに優先的に配分し、その後、資源(ヒト、モノ)の平準化を行ます。

資源の平準化とは、例えば、人であれば、1日8時間の労働時間を超えた場合、その作業を別の日もしくは週に回すことや、作業人数を増やすことで行います。
また、人の場合、全体数を調整するとともに、必要なスキルについても調整する必要があります。

そして、残りのリソースを優先順位が2位以下のプロジェクトに配分します。

完成したリソース計画を、プロジェクトスポンサー、チームメンバーや他のステークホルダーに開示することは、『ステークホルダーの期待のマネジメント』の一環となり、ステークホルダーは安心感を得ることとなりますので、開示すべきです。

また、プロジェクト実行中に優先順位の高いプロジェクトにおいて、リソース不足が発生した場合についてですが、そのアクティビティがクリティカルパスかどうかによって、リソース追加を決定します。フロートがある場合は、リソース追加を順延します。

追加リソースがその時点で不足している場合は、次のことを検討しますが、あくまでも各プロジェクトの目的、目標を考慮して行います。

・他のプロジェクトのスケジュールを調整し、リソースを回してもらう
・優先順位の高いプロジェクトが終わるまで他のプロジェクトを開始しない
・他のプロジェクトのスコープを縮小する
・アウトソーシングや要員追加のための調達を検討する
・プロセス改善により、リソースの効率を上げる
・最後の手段として、時間外労働を検討する

次回は、プロジェクト間に相互関係がある場合のマルチプロジェクトマネジメントについて、取り上げます。

◆マルチプロジェクトマネジメントのセミナーを開催します
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 ※Youtube参考動画「マルチプロジェクトマネジメント
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  【カリキュラム】                     
   1.マルチプロジェクトのマネジメント手法の概要
   2.プロジェクト計画
   3.プロジェクトのアライメントと起動
   4.マルチプロジェクトの実行マネジメント
   5.リソース計画
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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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