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No20. マルチプロジェクトマネジメント(2)《一般》(2014.09.16)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木道代

No14.から、著者が変わり、鈴木が担当しますので、よろしくお願いします。
50回程度の連載の予定です。

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【目的】マルチプロジェクトを成功裏に終わらせる

【用途】マルチプロジェクトの計画を作成する

【効用】マルチプロジェクトマネジメントをプログラムマネジメントとしてとらえる

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◆マルチプロジェクトマネジメント(2)

前回は、プロジェクト間で相互関係がない独立したプロジェクトのマルチプロジェクトマネジメントは、リソース計画である、と述べました。

PMstyle Kit No19. マルチプロジェクトマネジメント(1)《一般》

本号では、相互関係がある場合のマルチプロジェクトマネジメントについて取り上げます。

まず、複数のプロジェクトをまとめてマルチプロジェクトとしてマネジメントする場合、プロジェクト間に相互関係があれば、それは、プログラムマネジメントの範疇と言ってよいでしょう。

どのような相互関係であれ、プログラムととらえ、プログラムの価値、プログラムのスコープ、プログラムのスケジュール、プログラムの中で実行するプロジェクトの一覧、プロジェクトの実行順序、プロジェクトのスタートとエンドの日程、プロジェクトのインプットとアウトプットなどを計画として明確にする必要があります。

そして、プログラム実行マネジメントとして、プロジェクトの実行開始、その状況のモニタリング、プログラム全体の価値のマネジメント、プロジェクト間のインタフェースのマネジメント、プログラムのリスクマネジメントなどを行います。

これらの計画やマネジメントは、プログラムスタッフが行います。
が、計画策定の会議や、進捗状況モニタリングには、各プロジェクトのリーダー(マネジャーも参加します。

とりわけ、重要な会議がスタートアップワークショップであり、そこでは、プログラム目的、それに対する各プロジェクトの貢献度合い、各プロジェクトメンバーの役割などが明確化されます。(スタートアップワークショップについては、別途、記事にしたいと考えています)

また、相互関係のあるマルチプロジェクトマネジメントでは、プロジェクト間のインターフェースが最も重要です。プロジェクト内部のアクティビティにも4種類の順序関係があるように、プロジェクト間にも4種類の順序関係と順序関係がないという関係があります。

プロジェクト内部のアクティビティの順序関係は、以下の通りです。

・FS(Finish to Start)
 先行アクティビティが完了すれば,後続アクティビティが開始できる
・SS(Start to Start)
 先行アクティビティが開始されれば,後続アクティビティも開始できる
・FF(Finish to Finish)
 先行アクティビティが完了すれば,後続アクティビティも完了できる
・SF(Start to Finish)
 後続アクティビティが完了できるには,先行アクティビティが開始されていなくてはならない
・全くどのアクティビティとも順序関係がない

※関係は必ずしも1:1とは限らず、一つの先行アクティビティとFSの関係で、複数の後続アクティビティが存在しているケースが多い。

プログラム内の他のプロジェクトであれ、外部顧客のプロジェクトであれ、どのプロジェクトのアウトプットが自プロジェクトのインプットになるかがインタフェースでは重要であり、また、その関係をどれだけシンプルにして、プロジェクトのアーキテクチャを構築できるかがプログラムマネジメントのポイントになっています。

また、プログラムマネジメントでは、タイム、リソース(ヒト、モノ、カネ)、スコープをどのようにプロジェクトに分けるかとそれらのトレードオフの決定、どのプロジェクトがプログラムのどの部分に貢献するかなどを明確に決め、それらを各プロジェクトメンバーに示すことで、プロジェクトへのコミットメントを受けます。

そのため、相互関係のあるマルチプロジェクトでは、自プロジェクトのインプットをアウトプットする他プロジェクト、自プロジェクトのアウトプットをインプットとする他プロジェクトがどのプロジェクトで、プログラムのどの位置にあるのか、をまず意識し、それらのステークホルダーとの調整のもと、プロジェクトを進めていきます。(プロジェクトにはもちろん優先順位があり、重要なプロジェクトは他のプロジェクトよりも優先されることが多いようです。)

当然のことながら、プログラムマネジメントスタッフはプロジェクト間のインターフェースが懸念事項であり、プログラムマネジメントの中の主業務となります。

各プロジェクトのリーダー(マネジャー)は、プログラムスタッフと調整しながら、自プロジェクトを進行し、その結果、プロジェクトの成果がプログラムへの貢献となり、次のプロジェクトの実行へと続きます。

ですので、相互関係のあるマルチプロジェクトマネジメントは、関連のあるプロジェクトをまとめてプログラムマネジメントの考え方で、行うべきです。

次回は、マルチプロジェクトマネジメントについて、もう少し具体的な手法について取り上げます。

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 ※Youtube参考動画「マルチプロジェクトマネジメント
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  【カリキュラム】                     
   1.マルチプロジェクトのマネジメント手法の概要
   2.プロジェクト計画
   3.プロジェクトのアライメントと起動
   4.マルチプロジェクトの実行マネジメント
   5.リソース計画
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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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