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第2回 逆ピラミッドとプログラムマネジメント(2008.09.05)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆顧客満足を実現する逆ピラミッド

プロジェクトは現場の活動である。プロジェクトの先には顧客や、営業部門、さらにその先には真の顧客であるエンドユーザがいる。顧客やエンドユーザが満足するプロジェクトをしようとすれば、経営組織のピラミッドを逆にしなくてはならない。

通常の経営組織のピラミッドは、トップに経営陣(エグゼクティブマネジャー)がおり、その下にシニアマネジャー、さらにはミドルマネジャーがいる。そして現場リーダー(プロジェクトマネジャー・リーダー)がいて、現場(プロジェクト)がある。社内ラインはここまでで、このピラミッドで顧客や市場に対応していくことになる。

必然的にもっとも接点が多くなるのはプロジェクト(現場)である。かつ、プロジェクトの場合、社を代表する立場でカウンターパート関係なしに、外部との接点が出てくることも珍しくない。

そのように考えると、顧客を満足させるために必要なことはおのずと決まってくる。組織全体が、プロジェクトが顧客を満足させる活動ができるようにサポートすることである。現場リーダーはプロジェクトのメンバーを全力をあげてサポートする。ミドルマネジャーは現場リーダーを全力でサポートする。シニアマネジャーはミドルマネジャーを全力サポートする。そして、エグゼクティブはシニアマネジャーをサポート
る。このような体制が必要である。このような関係を逆ピラミッドと呼ぶことがある。


◆機能しない逆ピラミッド

ところが、逆ピラミッドというのはあまりうまく機能していないケースが多い。特に、現場とのインタフェースのところがうまく機能していないことが多い。なぜだろうか?

ミドルマネジャーの仕事は、「部下の成果を最大化すること」である。自身もプレイしているのでそんな時間はないかもしれないが、そうだとしたら、ミドルのレベルでの業務の組み立てがまずいのではないかと思う。今までのやり方をしていたら、プレイングマネジャーは確かに成果主義は現場に目配りする余裕はないというのはよくわかる。あまり、関連性のない仕事をばらばらにしている。その中の一つに自身の仕事もある。このような事業の組み立てをすると、当然ながら、自分の仕事を優先し、余裕のある中で部下の指導をするというなるのは自然なことだろう。


◆プログラムマネジメントがミドルの成果を最大化する

そこで、自分の仕事の組み立てそのものを変える必要がある。

どう変えるか?プログラムマネジメントにより、部下の成果を最大化することにより、自らの成果を最大化できるような構造を作り上げていくことである。

これは、プログラムとして仕事を定義していくことに他ならない。ミドルマネジメントが担当する範囲は、課かもしれないし、商品群かもしれない。あるいは、顧客かもしれないし、場合によってはミッションの明確なプログラムを担当するかもしれない。いずれにしても、戦略を明確に持ち、プログラム化し、プログラムベネフィットを最大化することを目指さなくてはならない。

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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「プロジェクトマネジャー養成マガジン」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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