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No9. プロジェクトマネジメント計画の実行《一般》(2011.06.10)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人

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【目的】ベースライン計画によるプロジェクトの統制

【用途】組織が一体になったプロジェクト実行

【効用】正確でタイムリーな進捗報告、問題の早期発見、効率的なコミュニケーションを可能にする
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◆ベースラインの設定

プロジェクトマネジメント計画が準備できたら、いよいよ、計画実行である。ここで重要なのは、プロジェクトベースライン設定である。ベースラインは、計画プロセスでプロジェクトマネジメント計画として決定され、プロジェクトスポンサー(やプロジェクトマネジャー)が承認をした実施計画である。

プロジェクトマネジメント計画の承認には、4つの意味がある。一つは、プロジェクト計画の内容が妥当であることだ。一つ目は、プロジェクトの目的や目標(制約)と合致した計画になっていることを認めることだ。これは主としてプロジェクトスポンサーがレビュー責任を持つ。二番目は計画の妥当性。見積もりの妥当性、業務手順の妥当性など、いくつかの視点からチェックされる。これについてはPMOが責任を持ってレビューする。三つ目は、ステークホルダの期待を実現する計画であることだ。

そして、4つ目は少し趣旨が異なる意味づけで、プロジェクトスポンサーやステークホルダがコミットメントを与えるということだ。たとえば、何かと問題になるリソース確保の問題は、計画を承認した瞬間に、プロジェクトスポンサーの責任になる。

このようにして、ベースライン設定(計画承認)は、プロジェクトマネジメント計画の画竜点睛であり、かつ、プロジェクトモニタリングの始まりでもある。言い換えると、ベースライン設定は、計画プロセスから、コントロールプロセスへのブリッジである。


◆コントロールの4つのプロセス
ベースラインが設定されたら、コミュニケーションの計画にしたがって、1週間に一度程度、プロジェクトの状況データを収集する。

そして、ベースラインと実績データを比較し、「差異(バリアンス)」の分析を行う。分析をして、コストやスケジュールのベースラインの差異が許容範囲内の場合には、現状のパフォーマンスについての報告を作成し、コミュニケーション計画に従って情報配布を行う。同時に、差異を縮小するために、スコープ、コスト、スケジュールの調整していく。

差異分析で、許容範囲以上の差異が発生した場合には、いくつかすべきことがある。許容範囲を超えると多くの問題はプロジェクトだけでは解決できなくなる。そこで、まず、その問題を分析・整理し、解決できる権限を持つ人にエスカレーションをすることが必要である。また、外注が絡む場合には、あらかじめ決められたマネジメントプロセスがあればそのプロセスに従った処理をする。なければ、問題解決の方法について外注先と協議する必要がある。

情報配布は定期的にプロジェクトスポンサーが参加するプロジェクトレビュー会議に対しても行われる。差異が許容範囲を超える場合、レビュー会議では、ベースラインの再設定が行われる。また、差異が許容範囲を超える場合だけでなく、問題が解決できず、是正の可能性がないと判断される場合にもベースラインの再設定が行われる場合がある。


◆ベースラインを使った振り返り

以上のサイクルが、プロジェクトマネジメント計画実行の基本的なサイクルであるが、プロジェクトが終了したら、終結プロセスに入り、振り返りが行われ、プロジェクトは終結する。

終結においても、ベースラインは重要な役割を果たす。ベースラインとの差異が出てきた局面にフォーカスし、是正の妥当性が振り返りの対象になる。

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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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