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第10回 予算の方針と予備費 (2009.08.18)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木 道代


◆予算の方針と予備費

前回は、予算計画は、WBSをブレークダウンした最下位の項目の作業(アクティビティ)についてのどれくらい費用がかかるかというコストの見積りを人件費、資材費、外注費、予備費などの費目別に算出し、それらを合計した金額で作成し、それが予算内に入るかどうかを確認する、ところまで述べました。

 第9回 予算作成

上記の費目の資材費や外注費についてですが、今度は、調達がからんできます。
調達とは、プロジェクト内部で手配できない資材や人員や成果物を外部から購入することです。
調達では、まず、WBSをブレークダウンした最下位の成果物であるワークパッケージについて、内外製分析を行います。
内外製分析とは、そのワークパッケージの作成について、技術やリスク、リソース(ヒト、モノ、カネの観点から内製と外製のどちらが良いかを検討することです。
もちろん、この検討をするためには、調達についての方針があり、その前にはプロジェクトマネジメントの方針が必要です。

例えば、
・新しい技術を使うため、新技術に定評のあるパートナーを選択する
・短納期のため、社内人員のみで実施する

などです。さらに、QCDSのどれを優先するか、が最も重要です。

品質重視なのか、コスト優先なのか、納期優先なのか、スコープ(成果物)優先なのか。詳細は、こちらです。

第2回 プロジェクトマネジメントとは

そして、上記の方針に従って、それぞれの計画を作成していくわけです。

予算の方針は、と言いますと、予算管理をどのようにするか、各費目別の割合、調達との関連、リスクとの関連などがあります。

例えば、
・予算管理をするのかしないのか、
・予算管理を月別に費目別にするのか、それとも全期間で予算内に入ればOKなのか
・予算管理を進捗管理として行うのか、実績管理のみなのか
・各費目別の割合を予算の計画作成前に決めておくのか
・調達の方針はどうなのか(それにからんで予算の方針がどうなるのか)
・リスクの方針はどうなのか(それにからんで予算の方針がどうなるのか)

などを予算の方針として決めておき、コスト見積りをし、それを積み上げて予算を作成します。

それでは、予備費は何の費用かと言いますと、リスク対策費です。
リスクマネジメントは、後ほどまた詳しく取り上げますが、計画が計画通り実行できないとすると、どんな事象が発生するかを予測し、そのために、対策を考えておくマネジメントです。

対策は、大きく2種類に分かれ、それは事前対策と事後(事中対策)です。
事前対策とは文字通り、リスクが発生する前に、手を打っておこうという対策です。
リスクは未確定な事象、つまり発生しないかもしれない事象ですが、そのための対策を事前にする対策が事前対策であり、計画が事前に変更されます。
例えば、リスクを考えると、このアクティビティは遅延が予想され、多大な影響が予測されるので、事前に作業人数を増やしておいて遅延を防ぐというようなケースです。この場合、事前(該当アクティビティの作業開始前)に作業人数を増やしますので、要員計画や予算の人件費などを変更する必要が出てきます。

もうひとつの事後(事中)対策は、事前には計画を変更しません。
例えば、アクティビティ作業中に「遅延が発生しそうになったら、作業人数を増やす」という対策を決めておき、リスクが現実のものになったら(なりつつあったら)、対策を実行します。

その場合、追加要員の費用が必要ですので、予備費から捻出するわけです。
つまり、事後対策のリスク対策費が予備費です。
ですが、予備費については、設定されない場合も多いようです。

では次回は、リスクについて、取り上げます。

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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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