◆リスクマネジメント
前回は、予算の方針と予備費について述べました。
第10回 予算の方針と予備費
今回は、予備費と関連しているリスクマネジメントについてです。
リスクマネジメントは、ずばり、次の5ステップです。
1.リスクマネジメント計画:リスクマネジメントの方針を決める
2.リスクの特定:計画の実行に対して、影響を与える事象の洗い出しをする
3.リスクの分析:リスクの大きさを分析し、対策を立てるリスクを抽出する
4.リスクの対策:大きなリスクに対して、対策を立てる
5.リスクトラッキング:リスクの対策が有効かどうか、リスクの状態が変化していないかをチェックする
1.〜4.はリスクの計画、5.はコンロトールです。
計画は、他の知識エリア同様、リスクマネジメントの方針をまず作成し、その後、リスクの洗い出しを行います。
プロジェクトリスクは、常に将来において起こるものであり、リスクが発生すれば、必ず、プロジェクト目標に影響を与え、発生したリスクは課題と見なされます。
プロジェクト目標には、スコープ、スケジュール、コスト、品質などが含まれ、具体的にはプロジェクト目標とはそれらの計画です。
つまり、プロジェクトリスクとは、計画通り実行できていない状態、また、その状態の要因となる事象のことです。
リスクマネジメントはリスクを発生させないためのマネジメント(だけ)ではなく、プロジェクト目標に対する影響をできるだけ少なくするためのマネジメントです。
ですので、
・発生させないこと
・発生しにくくすること
・発生しても影響を少なくする努力をすること
三様ともすべて、重要です。
また、三様のどの方法でプロジェクト目標に対する影響を少なくしていくのか
1.リスクマネジメント計画 で方針として決めておき、
2.リスクの特定 のステップでリスクの洗い出しをします。
2.リスク特定 は、すでに作成されているプロジェクト計画(スコープ、スケジュール、コスト、品質など)のレビューや過去のプロジェクト文書のレビュー、ブレーンストーミング、チェックリスト(組織として作成されていれば)などで行います。
この後の3.リスクの分析からは、次回に取り上げます。
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鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
本連載は、PM養成マガジン購読にて、最新記事を読むことができます。