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第29回 ステークホルダーを特定する(2018.12.19)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


☆これまでの記事

第27回 マネジメントを行うための計画を作成する

第28回 コンセプチュアルなステークホルダーマネジメント

(第28回から続く)

◆ステークホルダーを特定する

この際に留意すべきなのが、ステークホルダーの立ち位置です。上に述べましたようにステークホルダーの影響力をコンセプトの構成要素で特徴づけることができますが、ステークホルダーマネジメントとして必要なのはステークホルダーのプロジェクトに対する立ち位置を望ましいように変えることです。このためには、各ステークホルダーをカテゴライズし、マネジメントしていくことを考える必要があります。

[ストーリー2]

リーダー藤田と営業の芦田がステークホルダーを書き出す様子を見ていたITコンサルタントの徳田は

「では、これらのステークホルダーをコンセプトに基づいて整理してみましょう。まず、今回のコンセプトを具体的に展開するとどのような要因が出てくるかを考えましょうか。」
と進めた。具体的にどのようにしていいか分からず、顔を見合わせる藤田と芦田。その様子をみて、徳田は「例えばこんな感じです」と言い、下記のステークホルダーを特定するためのプロジェクトのパラメータを示した。

●プロジェクトのパラメータ

・リソース      :必要な人、金、施設、資材、情報、知識
・プロジェクト要件  :プロジェクトのスケジュール、予算、品質、仕様、要素成果物
・プロジェクトプロセス:チームワーク、マネジメントプロセス、技術、インフラ
・パフォーマンス評価および報酬:
            プロジェクトの成功、プロジェクトパフォーマンス、チームパフォーマンス、
            個人のパフォーマンス、チームの報酬、個人の報酬


「これをコンセプトをベースにして作ってみましょう」と促した。

藤田と芦田は、徳田にアドバイスを貰いながら、コンセプトの具体案を展開し、コンセプトの要素の表を作った。一段落したところで徳田は

「では、先ほど洗い出したステークホルダーをこのリストと関連付けてみましょう」

と言って、枠組みを示した。早速、芦田がステークホルダーとコンセプトへの影響にこれまでに決まったことを書き込んで、「早速、埋めていきましょう」と言った。

●コンセプトの要素
┌──────────┬────────────────────────┐
│視点        │コンセプトの要素                │
├──────────┼────────────────────────┤
│リソース      │コンセプト実現に必要な人、金、情報、知識    │
├──────────┼────────────────────────┤
│プロジェクト要件  │プロジェクトのスケジュール、コンセプトの実現方法│
├──────────┼────────────────────────┤
│プロジェクトプロセス│チームワーク、マネジメントプロセス       │
├──────────┼────────────────────────┤
│パフォーマンス評価 │プロジェクトの成功、プロジェクトパフォーマンス、│
│          │チームパフォーマンス              │
└──────────┴────────────────────────┘

[ストーリー2 終わり]

ステークホルダー特定でよく使われるのがステークホルダーごとにプロジェクトのパラメータを分析していくステークホルダーマトリクスという手法です。

コンセプチュアルなプロジェクトマネジメントでは、プロジェクトパラメータとしてコンセプトを具体化したものを使います。コンセプトには図3に示しますように、具体化するとさまざまな要素が含まれています。これらに対して、ステークホルダーの特定は、コンセプトを具体化した要素との関係づけで行っていきます。たとえば、上記のコンセプトの要素と関係づけます。

そして、一般的にステークホルダーのカテゴライズとしてよく使われるのは、ステークホルダー影響グリッドという手法です。これは縦軸に「ステークホルダの支援の重要性」、横軸に「ステークホルダのコミットメント」をとり、マトリクスを作成し、ステークホルダーを4つの種類に分けます。つまり、

・「完全参加」:プロジェクトにとって重要性が高く、コミットメントも高い
・「良心的兵役忌避者」:プロジェクトにとって重要性が高いにも関わらず、コミットメントが低い
・「熱狂的支持者」:プロジェクトにとって重要性が低いが、コミットメントは高い
・「チアガール」:プロジェクトにとって重要性は低く、コミットメントも低い

の4種類です。

ステークホルダー影響グリッドについては、こちらのコラムも参照ください。

 PMの道具箱  第10回 ステークホルダー影響グリッド

このようなマトリクスで考えてみると、各カテゴリーのステークホルダーをどのように導けばよいかが分かります。プロジェクトとして望ましいのは、プロジェクトへの支援の重要性が高いステークホルダーがすべて「完全参加」のステークホルダーであることですが、それはあまり現実的ではありません。

(続く)


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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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