◆タスク優先順位マトリクス
PMstyleでは、2011年から『シンプルプロジェクトマネジメント』セミナーを開催しています。
小規模なプロジェクトにおいて、メンバーがセルフマネジメントによって作業を自律的に行い、過剰な管理はしないシンプルなマネジメントについて解説しています。
その中では、『オーナーシップ』というマネジメントの考え方を取り入れ、すべてのアクティビティや要素成果物はタスクオーナー(メンバー)にアサインされ、タスクオーナーは、説明責任、実行責任、権限を持ち、アクティビティや要素成果物について、プロジェクトマネジャーやリーダーはタッチしませんので、リスクマネジメントについては考えません。そして、A4 1枚のスプレッドシートであるSPMシートで計画を作成し、進捗を管理します。
SPMシートの詳細はこちらのコラムをご覧ください。
PMの道具箱 第58回 SPMシートとは
また、実行責任とは、行動や作業実施へのコミットメントであり、説明責任とは、正確でタイムリーな報告であり、権限とは、「命令」、「規則を強いる」、「強制」、「服従の強要」、「決定」、「判断」などを含む行動の権利とパワーのことを示しています。
つまり、タスクをアサインされたメンバーは、タスクの完成について、他人事ではなく、自分事として考え、作業を進める責任があるということです。
ところが、そのタスクだけに携わることができることは少なく、いくつかのプロジェクトの中のいくつかのタスクに対して、オーナーシップを持つことが多いですよね。
そして、「他人事ではない」とは、すべてのタスクを自分事とすることなのですが、同時期にそんなに多くのタスクを実行することは、なかなか難しいものです。
では、どのタスクから先にすると良いのか?ということになりますが、その疑問を解決するツールの一つが、タスク優先順位マトリクスです。
それは重要度×緊急度で優先順位をつけるマトリクスのことであり、タスクの優先順位は次の通りです。
重要度 大 × 緊急度 大:最も優先するタスクであり、ここから取り組みます。
重要度 大 × 緊急度 小:次に優先するタスクであり、この象限のパフォーマン
スがプロジェクト全体のパフォーマンスに影響します。
改善を試行しながら進める必要があります。
重要度 小 × 緊急度 大:3番目に優先するタスクだが、この象限のタスクが多
くなるとマルチタスクがこなせなくなります。
重要度 小 × 緊急度 小:直近までほっておいて良いタスクであり、やらなくて
すます方法を考えます。
それぞれのタスクについての優先順位は上記のマトリクスで考えますが、そのタスクがどのプロジェクトのタスクかによっても優先順位が変わりますので、それぞれのタスクのプロジェクトの状況がどの段階なのかを考慮し、タスクの実施順番を決めていきます。
まず、手持ちのタスクを、リストアップし、上記の優先順位と、属しているプロジェクトの状況を記載し、
1.少しの時間でプロジェクトを前に進めることができる
2.プロジェクトが終結に近い
3.決定が必要か、不明確なために遅延しそう
1.〜3.のうち、一つでも当てはまれば、リストのトップにし、順序を決めます。
そして、1週間の作業スケジュールを作成し、メンバーがこのようにオーナーシップを持ったタスクに関して、セルフマネジメントすることで、オーナーシップを果たします。
◆関連するセミナーを開催します
━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆コンセプチュアルなプロジェクトマネジメントのポイント ◆7PDU's
日時・場所:【Zoom】2025年 02月 13日(木)9:30-17:30(9:20入室可)
【Zoomハーフ】2024年 12月 18日(水)13:00-17:00+3時間
【Zoomナイト】2025年 01月 22日(水)24日(金) 19:00-21:00+3時間
※Zoomによるオンライン開催です
※ナイトセミナーは、2日間です
※ハーフセミナー、ナイトセミナーは、事前学習が3時間あります。
※少人数、双方向にて、演習、ディスカッションを行います
講師:鈴木道代(プロジェクトマネジメントオフィス,PMP,PMS)
詳細・お申込 https://pmstyle.biz/smn/conceptual_pm.htm
主催 プロジェクトマネジメントオフィス、PMAJ共催
※Youtube関連動画「コンセプチュアルスキルとは(前半)」「コンセプチュアルスキルで行動が変わる」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【カリキュラム】
1.VUCA時代に必要なコンセプチュアルなプロジェクトマネジメント
2.プロジェクトへの要求の本質を反映したコンセプトを創る
3.コンセプトを実現する目的と目標の決定
4.本質的な目標を優先する計画
5.プロジェクトマネジメント計画を活用した柔軟なプロジェクト運営
6.トラブルの本質を見極め、対応する
7.経験を活かしてプロジェクトを成功させる
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
本連載は、PM養成マガジン購読にて、最新記事を読むことができます。