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第26回 戦略的PMOのPM改善への取り組み(4)〜成熟度のアセスメントと改善(2006.12.18)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


第23回にプロジェクトが成熟することとはどういうことかについて述べた。

 戦略的PMOのPM改善への取り組み(1)〜プロジェクトマネジメントが成熟するとはどういうことか?
  

今回は、具体的に成熟度をどのようにアセスメントし、改善していくかについて議論してみたい。


◆成熟度のアセスメントの流れ

成熟度のアセスメントの流れと、その中でPMOの果たすべき役割は以下のようなものになる。

[1]アセスメントチームの結成
成熟度アセスメントチームを結成する。この際、できるだけ負荷が小さくなるように配慮をする必要がある。

[2]キックオフの指揮
アセスメントに対する戦略を決定するためのキックオフミーティングを開催し、アセスメントチームはモデルやプロセスの確認、アクティビティのウォークスルー確認を行う

[3]対象者への質問
アセスメント規模が大きい場合には、事前にアセスメント対象者への質問を行い、アセスメントの客観性、一般性を確保する。ただし、規模が小さい場合にはあえて行う必要はない。

[4]アセスメント活動の指揮
PMOがアセスメントチームやアセッサが行うアセスメントを指揮する。アセスメント活動として行うべきことは

・マネジャーへのインタビュー
・プロジェクトマネジャーやプロジェクトメンバーへのインタビュー
・プロジェクトマネジメントドキュメントの検査
・組織ドキュメントの検査

などである。

[5]アセスメント結果の整理と分析
アセスメント情報を整理し、成熟度モデルを使って結果を分析する

[6]レポート
アセスメント結果のレポートを作成し、報告する。アセスメントレポートには以下のような内容を含めるものとする。

・エグゼクティブサマリー
・アプローチ(使ったモデルやプロセス)
・発見事項
・推奨事項
・添付資料(データ、分析ワークシートなど)


◆成熟度の改善のために

成熟度の改善のために行うべきことを列挙する。

・シニアマネジメント変革
まず最初に認識すべきことは、プロジェクトマネジメントをいくら一生懸命に行っても、プロジェクトマネジメントでは成熟度は変わらないということだ。成熟度を上げるためには、シニアマネジメントの仕組みの変革が必要であるし、さらにいえば、意識改革が必要である。

・ステークホルダの業務変革
成熟度改善のためには、プロジェクトやプロジェクトマネジメントに関連する広い範囲でのステークホルダの業務変革を行う必要がある。

・ビジネスユニット間の連携
さらに、関連ビジネスユニット間で、業務連携を行うビジネスプロセスの構築が必要である。そして、ビジネスユニット間で知識の共有化を行う必要がある。

・コミュニケーション改革
成熟度の改善のために不可欠なものの一つがコミュニケーションの改善である。一言でいえば、当たり前のことが当たり前にできるようなコミュニケーションを構築していく必要がある。さらには、コミュニケーションが改善の推進の動機になっていくような工夫も必要である。

・経営戦略上の位置づけの形成
最後に、プロジェクトマネジメントの成熟度が、経営戦略実行上、極めて重要な意味を持つことを共通認識する必要がある。

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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「コンセプチュアル・マネジメント(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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