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第25回 戦略的PMOのPM改善への取り組み(3)~ケイパビリティのアセスメントと改善(2006.12.11)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆前回の復習

前回、アセスメントには

(1)コンピテンシーのアセスメント
(2)ケイパビリティのアセスメント
(3)成熟度のアセスメント

の3つがあり、それぞれのアセスメント視点を簡単に指摘した。今回は、この中で、ケイパビリティのアセスメントについてもう少し、具体的な進め方について考えてみたい。

戦略的PMOのPM改善への取り組み(2)〜アセスメント


◆ケイパビリティのアセスメントの手順

以下に、ケイパビリティのアセスメントの一般的な手順を示す。

[1]必要性の特定
プロジェクトパフォーマンスから、プロジェクトマネジメントの問題領域を推定し、どのようなタイプのケイパビリティアセスメントが必要かを特定する。

[2]協力の取り付け
アセスメント作業はプロジェクトにとって活動の妨げになるので、それに抵抗するプロジェクトマネジャーや主要なプロジェクトマネジャーと、必要性について合意し、協力の約束を取り付ける

[3]アセスメントチームの結成
内部リソース、あるいは外部リソースを使って、ケイパビリティアセスメントチームを結成する

[4]アナウンス
アセスメントの実施を告知する。告知に当たっては、アセスメントの目的、ビジネス上の必要性などを具体的に説明し、アセスメントの内容についての開示は避けた方がよい

[5]計画と準備
アセスメントのガイダンス(作ってある場合)やアセスメントチームの経験に基づき、アセスメントを計画し、準備する。

ここで、準備作業として行うべきことには以下のようなものがある。

・アセスメントのステークホルダを特定する
・アセスメントのスコープと目的(詳細なもの)を決める
・アセスメント期間を決める
・アセスメント対象として妥当なPMを決める
・対象とするドキュメントとサンプルサイズを決める
・ミーティングとインタビューのスケジュールを決める
・個々の対象に通知し、スケジュール調整をする

[6]アセスメントの指揮
アセスメントの実施を告知する。告知に当たっては、アセスメントの目的、ビジネス上の必要性などを具体的に説明し、アセスメントの内容についての開示は避けた方がよい。これを受けて、アセスメントチームは以下のような活動をすることになる。

・マネジャーやアセスメントスポンサーとのキックオフミーティング
・アセスメント(インタビュー)
・プロジェクトドキュメントレビュー
・中間での情報の編集と分析
・マネジャーやアセスメントスポンサーとの一次結果に関する議論

[7]アセスメント結果報告の準備
アセスメントチームで最終的な結果分析を行い、アセスメントレポートを作成し、プレゼンテーションの準備を行う。

[8]プレゼンと改善戦略決定

主要なプロジェクトマネジャーと適切な組織に報告する。その上で、ケイパビリティの改善の戦略についての検討する。ケイパビリティの改善の視点には以下のようなものがある。

・より詳細なチェックの必要性
・プロジェクトマネジメントのテクニカルなトレーニングについて
・プロジェクトチームのメンバーとチームの育成活動について
・プロジェクトマネジメントや技術のプロセス改善について
・プロジェクトマネジメントのメソドロジーの確立について
・PMOの機能拡張について
・プロジェクトマネジメントのメンタリングについて
・ナレッジマネジメントシステムの改善について
・ポートフォリオマネジメントシステムの改善について


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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「コンセプチュアル・マネジメント(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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