本文へスキップ

予期せぬ変更を最小限にするために、変更の可能性、必然性は、内部要因、外部要因に分類して検討する。変更が認知された場合、変更したプロジェクト計画の周知を徹底する

No68. 統合変更管理《一般》(2019.08.21)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木道代

=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=
【目的】首尾一貫としたチェンジマネジメントを行う
【用途】全てのプロジェクトの局面において、変更をマネジメントする
【効用】結果として、予期せぬ変更が最小限となる
=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+

◆統合変更管理

通常、プロジェクトベースライン(スコープ、スケジュール、コスト、品質)設定完了後のマネジメントは、統合変更管理に委ねられます。
プロジェクトの安定と最終的なプロジェクト成功に向けて、進捗管理などのコントロールを行い、プロジェクトに対して変更の可能性を特定し、そして、それが必要かどうかを判断します。変更の可能性、必然性は、内部要因、外部要因に分類され、下記のタイミングや状況にて、発見されます。

┌────────┬────────────────────────┐
│内部要因    │差異分析、状況報告レポート、プロジェクトレビュー│
│ による変更  │リスク特定、チームメンバーからの意見、     │
│        │機会の獲得、スタッフメンバーの離脱       │
├────────┼────────────────────────┤
│外部要因    │要求変更、規制の変更、基準・標準の変更     │
│ による変更  │市場リサーチの結果、新技術の台頭、       │
│        │スポンサーの干渉、自然災害           │
└────────┴────────────────────────┘

そして、分析を行い、その変更は、プロジェクトのビジネス価値(正味のベネフィット)に対して、重要な、かつ必要な変更かを検討します。

詳細は、下記コラムをご参照ください。

PMの道具箱 第49回 変更調整マトリクス

そして、下記の4つの選択肢の中から、1つを決定し、プロジェクト計画の変更、プロジェクト完了の予測を行います。その際には、アセスメントやプロジェクト変更に対する影響分析は楽観的なことが多いため、疑い深く、あらゆる視点から検討し、変更の必要性、プロジェクト完了の予測について、裏付けとなるものを示します。

┌──────┬────────────────────────┐
│認可    │強制的な場合(法律からの要求、         │
├──────┤   プロジェクトに対して脅威を与える場合)  │
│認可    │重大な外的要因への対応             │
│(一部修正)│プロジェクト中止よりは変更の方が簡単な場合   │
├──────┼────────────────────────┤
│保留    │必要性、重要性がみられない場合         │
├──────┤そのタイミングではない場合           │
│却下    │自由に裁量でき、かつ、必要性を感じない場合   │
└──────┴────────────────────────┘

◆変更したプロジェクト計画の周知

認可した場合には、変更したプロジェクト計画の周知を徹底します。周知は、適切なステークホルダーに行いますが、適切なステークホルダーが誰かということは、変更の大きさとともに、コミュニケーション計画にて、決めておきます。

そして、これらの変更が適切で、この後、プロジェクトのビジネス価値(正味のベネフィット)を生み出し続けているかどうかを下記のコントロールプロセスにてマネジメントします。

変更点とそれをコントロールするプロセス
┌────────┬─────────────────────┐
│変更点     │コントロールプロセス           │
├────────┼─────────────────────┤
│スコープ    │スコープコントロール、品質コントロール  │
├────────┼─────────────────────┤
│スケジュール  │スケジュールコントロール         │
├────────┼─────────────────────┤
│コスト     │コストコントロール            │
├────────┼─────────────────────┤
│内部スタッフ  │資源計画、要員計画、資源コントロール   │
├────────┼─────────────────────┤
│外部スタッフ  │調達コントロール             │
├────────┼─────────────────────┤
│リスク     │リスク監視                │
├────────┼─────────────────────┤
│プロセス    │プロセス改善、組織変更          │
├────────┼─────────────────────┤
│プロジェクト全体│プロジェクトレビュー           │
├────────┼─────────────────────┤
│自然災害    │エスカレーション、プロジェクト中止    │
└────────┴─────────────────────┘

◆関連するセミナーを開催します

━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆プロジェクト計画書の作り方・書き方・活かし方    (7PDU's)
  日時・場所:【Zoom】2025年 01月 15日(水)9:30-17:30(9:20入室可)
     【Zoomハーフ】2025年 02月 22日(土)13:00-17:00+3時間
     【Zoomナイト】2024年 12月11日(水)13日(金) 19:00-21:00+3時間
       ※Zoomによるオンライン開催です
       ※ナイトセミナーは、2日間です
       ※ハーフセミナー、ナイトセミナーは、事前学習が3時間あります。
       ※少人数、双方向にて、演習、ディスカッションを行います
  講師:鈴木道代(プロジェクトマネジメントオフィス、PMP、PMS)
  詳細・お申込 https://pmstyle.biz/smn/plan20.htm
  主催 プロジェクトマネジメントオフィス、PMAJ共催
※Youtube関連動画 プロジェクトマネジメント基礎(1) プロジェクトマネジメント基礎(2)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  【カリキュラム】                     
 1.プロジェクト計画書作成プロセス
 2.プロジェクト計画をデザインする
 3.プロジェクト計画の骨組みを決める
 4.プロジェクト活動計画書の書き方
 5.予算計画書の書き方
 6.リスク計画書の書き方
 7.ステークホルダー計画書の書き方
 8.コミュニケーション計画書の書き方
 9.プロジェクト計画全体の整合と各計画書の調整
 10.プロジェクト計画書の使い方と段階的詳細化
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

メルマガ紹介

本連載は、PM養成マガジン購読にて、最新記事を読むことができます。

Youtube始めました。チャンネル登録お願いします。PMstylebiz


書籍&チケットプレゼントはこちらから

お薦めする書籍

メルマガ購読

ブログ

公開セミナー(カテゴリー別)
日付順  カレンダー

お客様の声(掲載をご許可いただいた受講者の方のアンケート結果)

PMコンピテンシーとは

サイト内検索

Facebook

Facebook