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第49回 変更調整マトリクス(2013/08/23)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木 道代


◆変更調整マトリクス

変更調整マトリクス(CCM : Change Coordination Matrix)はスコープ変更をスムーズに行うためのツールであり、適切にコントロールされた変更を行うためのロードマップを示しています。その中には、プロジェクト変更要求(PCR)とプロジェクト変更ログ(PCL)が出てきますが、その詳細は次回に述べていきます。

変更調整マトリクスでは、変更管理プロセスにおける手順を記述し、変更に対する対応を決定し、対応に関する責任を割当て、どの関係者間を調整するのかを示します。

作成するタイミングは、プロジェクト・スコープ記述書もしくは、スコープマネジメント計画書などで、変更管理計画が作成された後に作成します。

そして、変更プロセスをマトリクスとして作成することで、視覚による訴求力が得られ、変更プロセスがより明確になり、スコープ・クリープ、予算超過、スケジュール遅延などの可能性を減らすことができるというメリットがあります。

通常、スコープ変更の要求が発生しますと、次の流れで、変更の承認、却下が決定され、承認された場合には、計画の変更が行われています。

1.プロジェクト変更要求(PCR)の提出
2.プロジェクト変更ログ(PCL)の記録
3.プロジェクト変更要求のレビュー
4.変更の実行の監視
5.プロジェクトのスコープ、コスト、スケジュール計画の更新

変更調整マトリクスでは、この流れを、横軸に各ステークホルダー、縦軸を時間の流れとして、誰が何を判断し、次のステップではどうなるのかを示しています。

各ステークホルダーは、例えば、

a.変更の起案者
b.変更のコーディネーター(PMまたは、変更の責任者)
c.変更管理委員会(CCB:Change Control Board)
d.変更で影響を受ける関係者

などです。

  変更調整マトリクスの例

そして、「b.変更のコーディネーター」、「c.変更管理委員会」については、プロジェクト計画作成時にほぼ特定できますが、「a.変更の起案者」や「d.変更で影響を受ける関係者」は、変更が発生してはじめて特定することででき、また変更の種類によって、大きく、異なってきます。

そのため、変更が発生した段階で、この両者を特定するところから、変更の処理が開始されるはずです。そのための原案としてのロードマップが、変更調整マトリクスです。

変更の手順を箇条書きで、計画書に記載されている方も多いと思いますが、その流れをマトリクスで記載することで、より視認性を高め、変更処理におけるトラブルが減ることが予想され、お奨めのツールです。

参照:ドラガン・ミロセビッチ著「プロジェクトマネジメント・ツールボックス」


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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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