No32. 調達プロセス(1)〜調達計画《一般》(2015.09.09)
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【目的】調達について、最適な決定をする
【用途】プロジェクトの要素成果物をアウトソーシングするかどうかを決定する
【効用】コストベネフィット分析と作成されたSOWにより、調達を決定する
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◆調達を決定
プロジェクトのスコープ計画は、主に、WBSを作成するところから始まりますが、WBSの最下位項目であるワークパッケージ(要素成果物)を作成するために必要なスキルを列挙し、そのスキルをプロジェクトメンバーが保有しているかどうかなどの内外製分析を行い、調達するのか、内製するのかを決定します。
内外製分析の詳細はこちらをご覧ください。
PMの道具箱 第80回 調達のツール:内外製分析
そして、コストベネフィット分析、リスク分析を行い、調達するかどうかを決定します。
調達することによって、期待されるベネフィットは以下の通りです。
・通常では得られることのできないスキルや専門技術にアクセスすることができる
・増えていく大量の作業をより早く、並列にこなすことができる
・プロジェクト終了後は不要になる特別な設備や能力を保持する必要がない
◆調達のリスク
また、調達に関するリスクは以下の通りです。
・新技術や新しい手法に関するアウトソーシングは、チームメンバーのモチベーション低下を引き起こし、チーム育成を妨げる
・進捗の遅れや問題を発見することが困難になる
・アウトソーシング先の組織変更やスタッフの異動による必要なスキルの低下
・コミュニケーションの問題や理解不足が起こりやすい
・仕様変更による高価なペナルティ
・高品質なベンダーの選定に時間がかかる
・低コストのベンダーを選定することによる品質問題の多発
・機密情報の漏えい
あるワークパッケージを調達することが決定すれば、リスクを回避、または軽減できる調達計画(調達の条件や調達先選定基準を文書化)を作成します。
調達計画には、SOW(Statement Of Work:作業範囲記述書)が含まれ、調達するワークパッケージの作業範囲、作業内容を明確に定義します。
そして、概算独自見積り、契約のタイプ(一括請負、単価契約など)、成果物受入基準などを決め、調達計画として、まとめます。
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著者紹介
鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
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