No33. 調達プロセス(2)〜調達実行《一般》(2015.09.12)
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【目的】最適な調達プロセスを実行し、プロジェクト要求を満たす
【用途】要素成果物のアウトソーシングプロセスを決定・実行し、契約書を締結する
【効用】最適な調達先と信頼関係を築き、結果として、品質の高い調達物を取得する
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◆調達計画
前号では、調達プロセスの調達計画を取り上げました。
PMstyle Kit No32. 調達プロセス(1)〜調達計画《一般》
本号は、それに続く、調達実行です。
調達計画には、以下の項目が含まれていました。
・調達の条件
・調達先選定基準
・概算独自見積
・契約タイプ(一括請負、単価契約など)
・成果物受入基準
・SOW(Statement Of Work:作業範囲記述書)
◆調達文書作成
次に、調達先に提案を依頼するために必要な情報として、下記の項目について、調達文書を作成します。
そして、RFP(Request For Proposal:提案依頼書)として、下記の項目を含む文書を作成します。
・提案依頼内容の詳細
・スコープ定義とスケジュールから決定されたSOW
・プロジェクトスケジュール
・提案書の提出期限と調達先決定予定日
・提案書にて求めるすべての情報
・担当者、専門技術者
・価格に関する情報
・保有する備品、設備の能力
・など
・質問などを受け付ける窓口について情報
・プレゼン、入札会議、その他会議について
調達文書には、他に、IFB(Invitation For Bid:入札招聘書)、RFQ(Request For Quotation:見積依頼書)があります。
作成した調達文書を、既に、社内にある調達先リストと新たに選出した調達先に配布します。できれば、3つ以上の調達先に配布します。そして、調達先の文書の到着を確認し、提案書の提出を依頼します。このちょっとしたコミュニケーションが、後々の信頼関係構築に役立っているのではないでしょうか。
そして、より良い提案書を得るため、提案書の提出期限は、調達文書送付からできる期間を長くとり、期限の約1週間前に提出について問い合わせを行い、提案書の提出について、促します。
◆調達先選定
提出された提案書はできるだけ早く、内容をチェックし、調達文書にある提案書に求める情報に不足するものがあれば、再提出を依頼します。そして、できれば、3つ以上の提案書の中から、決めておいた、調達先選定基準にて評価を行い、1つの調達先を決定し、その旨を提案書を提出してもらった調達先すべてに知らせます。
もし、提案書が3つ未満の場合は、提出期限を延期する、期限までのに提出された提案書から選定する、アウトソーシングを止める、などを検討します。
選定した調達先とインセンティブもしくはペナルティやその他の条件について、、交渉を行い、契約を締結します。調達先との交渉については、こちらのコラムをご覧ください。
PMstyle Kit No28. パートナーとの契約交渉のポイント《PMstyle》
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2.調達マネジメント計画の策定とベンダー選定準備
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著者紹介
鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
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