No22. コミュニケーション計画《一般》(2015.01.06)
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【目的】ステークホルダーとタイムリーで効果的なコミュニケーションを行う
【用途】コミュニケーションニーズに対応するために、その方法を文書化する
【効用】プロジェクトの円滑な実行を支援する
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◆コミュニケーションニーズ
本号はコミュニケーション計画についてです。
まず、コミュニケーションニーズを決めるために、プロジェクトインフラストラクチャーがどのようなものだったかを確認し、公式なコミュニケーションをどのように発生させるべきかを考えます。
プロジェクトインフラストラクチャーの詳細は、こちらのコラムをご覧ください。
PMstyle Kit No6. プロジェクトインフラストラクチャー(グランドデザイン)
そして、著作権や機密事項を考慮し、コミュニケーションニーズとして、以下の項目を列挙していきます。
・プロジェクトチームメンバーのための内部コミュニケーション(報告など)
・ステークホルダー登録簿にリストアップされたステークホルダーとの外部コミュニケーション
・上記コミュニケーションのコミュニケーションオーナー(責任者)
・プロジェクト計画の実行を支援する定期的なコミュニケーションの予定日時
ステークホルダー登録簿の詳細は、こちらのコラムをご覧ください。
ステークホルダーマネジメント 第8回 ステークホルダー特定のツールと技法
コミュニケーションニーズの詳細については、こちらのコラムをご覧ください。
はじめてのプロジェクトマネジメント
第23回 コミュニケーションマネジメント計画書(2)
◆コミュニケーションの内容と目的
列挙したコミュニケーションニーズから、具体的なコミュニケーションの内容とそのコミュニケーションの目的(コミュニケーションで実現したいこと)、を決め、どのような仕組みを使って、コミュニケーションを行うのか、どのようなコミュニケーション技法が適切なのかを検討し、公式か非公式なのか、文書か口頭なのかを決定します。
具体的なコミュニケーションの中には、プロジェクトデータの保管場所や保管方法、PMISなどのプロジェクトマネジメントシステムの使用方法なども含みます。
プロジェクト憲章、プロジェクトマネジメント計画書、課題ログ、変更承認、プロジェクト終結レポートなどプロジェクトに関する計画や状況報告レポートなどすべてを含んだ文書の保管や周知についてを定義します。
オンラインの場合は、アクセス許可、アクセス制限などもコミュニケーション計画として決めておきます。
つまり、プロジェクトで行うすべてのコミュニケーションについて、
・コミュニケーション名
・コミュニケーションの内容
・コミュニケーションの目的
・コミュニケーションオーナー(責任者)
・コミュニケーションのタイミング(日時)
・保管場所、保管方法
などを決めます。
◆ドキュメント化
そして、コミュニケーションについての決定事項を、コミュニケーション計画書としてドキュメント化(文書化)し、プロジェクトスポンサーに提出、レビュー、承認を受けます。
もし、テレビ会議やPMISなどを使用する場合、費用についてプロジェクトのコミュニケーションコストとして計上し、プロジェクトスポンサーの承認を受けるとともに、機材などがすぐ使えるように準備しておきます。
また、プロジェクト実行時には、コミュニケーション計画書に従って、コミュニケーションを実行し、その実行をコミュニケーションオーナーが確認することは、言うまでもないのですが、プロジェクト状況の可視化、必要なコミュニケーションフローを改善するために、そのコミュニケーションを評価することが重要なポイントです。
そして、その評価は、コミュニケーション計画書にコミュニケーションの目的を記載し、その目的がコミュニケーションによって実現されているかどうかをコミュニケーションオーナーとプロジェクトマネジャーが確認し、実現されていない場合は、コミュニケーションの内容、方法、タイミングなどを再検討し、コミュニケーション計画書をより、現実に適した計画に修正し、実行していくことも重要なポイントです。
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著者紹介
鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
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