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競争型交渉のポイントは、目標点、抵抗点、言い値

第7回 コンフリクトの解消と合意形成(2)〜競争と譲歩(12/08/24) 2/2

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人

コンフリクトの解消と合意形成(1)〜プロジェクトにおけるコンフリクト

コンフリクトの解消と合意形成(3)〜協調型交渉


◆競争型交渉のポイント


競争型の交渉が行われるのは、たとえば、価格交渉である。価格交渉でポイントになるのは、

・目標点:買い手が交渉をまとめたい目標金額
・抵抗点:これ以上だと変えない(買い手)、これ以下だと売れない(売り手)
・言い値:売り手が最初に示した金額

の3つの金額である。交渉の余地があるのは、買い手の抵抗点が、売り手の抵抗点より、高い場合だ。その場合に、買い手は以下のような戦略を取る。

【戦略1】
売り手の抵抗点のできるだけ近くに交渉点を押していき、交渉幅ぎりぎりまでの妥協を獲得する

【戦略2】
売り手に商品の価値について納得させ、抵抗点を変更させ、交渉幅を広げる

【戦略3】
顧客に追加開発にかかる費用が現実に可能で、最善のものだと納得させる

また、買い手の抵抗点が、売り手の抵抗点より低い場合には、以下のような戦略を取る。

【戦略4】
・売り手を説得して抵抗点を変更する
・自身の抵抗点を引き下げ、交渉幅を作る


◆譲歩について


譲歩は、交渉の中心的な戦略になることがある。関係を重視したい場合だ。譲歩を戦略とする場合には、以下のような点を考慮する必要がある(ドナルド・ヘンドンによる、譲歩のガイドライン)。

・譲歩を行う余裕をあらかじめ作っておく
・まず初めに相手のニーズ、目的を相手から洩らさせるように努める
・小さなことではこちらが最初に譲歩し、大きなことでは最初に譲歩しない
・大したことではないことで譲歩し、それを実際より価値あるように見せかける
・こちらの譲歩の一つ一つに相手に汗をかかせる
・こちらの譲歩の一つ一つにトレードオフして見返りを得る
・一般的に譲歩はゆっくり、一つ一つの譲歩はちびちび行う
・相手にこちらの交渉期限を洩らさない
・たとえ予備的な交渉であっても譲歩を撤回するときは注意を払う
・交渉中に受けた譲歩は記録にとって相手のパターンを読む
・譲歩は何度も、すぐに、たくさんしすぎてはならない

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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「コンセプチュアル・マネジメント(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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