第66回 イノベーションのパターン(2014.12.26)
◆技術とビジネスの組み合せ
今年はイノベーションの重要性の認識が深まった1年だったように思う。その中で、もやもやしている議論に技術とイノベーションの関係がある。今年最後の戦略ノートはこの問題を整理して、来年へのステップにしたいと思う。
イノベーションには2つの構成要素がある。技術とビジネスである。あるいは技術とシステムだといってもよい。
技術にもビジネスにも新しいものと既存のものがある。したがって、イノベーションのパターンは
(1)既存のビジネス×新しい技術
(2)新しいビジネス×既存の技術
(3)新しいビジネス×新しい技術
(4)既存のビジネス×既存の技術
の4通りがあり得る。ではそれぞれについて見ていこう。
◆技術革新とビジネス革新
まず
(1)既存のビジネス × 新しい技術
はいわゆる技術革新である。
すでにあるビジネスに新しい技術を投入して新しい価値を創造する。製品のイノベーションの多くはこのパターンである。たとえば、今、注目されている自動運転の自動車はこのパターンだといえる。
技術革新のアンチテーゼとして盛んに言わるようになったのは
(2)新しいビジネス × 既存の技術
というパターンのイノベーションだ。
既存の技術を使って新しいビジネスモデルを作るのがこのパターンに相当する。このパターンは顧客のニーズから始まることが多い。たとえば、アマゾンは、書籍をすぐにほしいという顧客のニーズに応えて、既存の技術やインフラを使って、書籍を翌日には手元に届けるという新しいビジネスを作った。
◆典型的なイノベーション
三番目は、典型的なイノベーションとでもいうべき組み合わせで
(3)新しいビジネス × 新しい技術
という組み合わせによるイノベーションである。
この例としてはグーグルのイノベーションを上げることができる。
グーグルは技術イノベーションにより検索エンジンの中でトップの地位を獲得した。その検索エンジンの優位性を使って、検索と広告を結びつけるビジネスイノベーションを起こし、さらに、それを高度化するために大量の検索処理の技術イノベーションを起こしていった。
グーグルのイノベーションは検索に限らず、このパターンになっているものが多い。
◆コンセプト革新
もう一つ、
(4)既存のビジネス × 既存の技術
というパターンがある。このパターンのイノベーションはコンセプトを変えるということで、理想的なイノベーションだといってもよい。たとえば、よく知られている例に、ハインツのトマトケチャップの例がある。
ハインツのトマトソースは濃厚過ぎてビンからなかなか出てこなかった。競合のソースはもっと薄く、ビンから簡単に出ていた。この問題への対処で、ハインツが行ったことはトマトソースを出やすくすることではなかった。
そのような開発をする代わりに、ソースのとろみを強調する宣伝をした。その中で、流れるようなソースは質が悪いという印象を消費者に与えたのだ。
何も変えていない。コンセプトを変えることでイノベーションを起こした例である。
この4つのパターンは全くアプローチが違うし、リソース投入のポイントも異なる。イノベーションの戦略を決定するに当たってはどのパターンを想定するかをよく考える必要がある。
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著者紹介
好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「コンセプチュアル・マネジメント(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。
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