◆チームパフォーマンス向上(2)
コミュニケーションニーズとして、プロジェクトマネジメントで行いたいことに、以下の項目があります。
・上位組織へのQCDSの予実のタイムリーかつ正確な報告
・顧客満足度向上
◎メンバーのプロジェクト貢献動機向上
●チームパフォーマンス向上
・納期意識を高める
・品質意識を高める
・リスクマインドの向上
・プロジェクトに対する信頼構築
・調達物品質の向上
・ゴールの共有
・スムーズな変更管理の実現
・プロジェクトの安全意識の向上
本号では、「チームパフォーマンス向上」のための、コミュニケーションについて、さらに、考えてみましょう。
前号でも述べましたように、プロジェクトのパフォーマンスはプロジェクトチームのパフォーマンスによって決まり、また、チームのパフォーマンスは、メンバー個人のパフォーマンスの総和ではなく、メンバー個人のパフォーマンスとチームマネジメントの積として、決まります。そして、プロジェクトの成果物は、メンバーひとりで全部完成するわけではありませんし、一人が完成した成果物を他のメンバーが引き継いで、プロジェクトの成果物への完成していきますので、引き継ぎのパフォーマンスや共同作業のパフォーマンスが、とても重要です。
PMstyleでは、「プロジェクトを成功させるコミュニケーションマネジメント」セミナーを定期開催しています。
その中の演習で、チーム(3人〜5人)で1つのレゴ(R)ロボットを20分程度で、組み立てています。
プロジェクトにおいても、1つの成果物をプロジェクトチームで完成させますので、3人〜5人であれば、少数精鋭のチームメンバーがプロジェクトに参加している様なイメージでしょうか。
コミュニケーションのセミナーですので、演習では、組み立て方をどんなコミュニケーションで伝えるのかを体験し、コミュニケーションのポイントを体感する内容になっています。
本演習は、これまでに100チーム以上の方にご参加いただきました。
どんな伝え方をするのかもチームによってバラバラですが、組み立ての分担もチームによってバラバラでした。
・組み立てリーダーを決めて、他の人は補佐をするチーム
・一人をチェック役にし、タイムキーパーとみんなが気づかない点をアドバイスするチーム
・成果物の部分担当を決めて、それぞれバラバラに動き、あるタイミングから全員集合で動くチーム
など、いろいろです。
そして、成果物の完成度が高いチームは、
・メンバー全員の役割分担を決め、その役割を果たしていない場合、黙っていないで、注意を促す
・コミュニケーションフローが双方向である
・プロジェクトの計画をメンバー全員で作成し、その計画に合意している
・ゴールを共有している
・気がついたことはすぐに発言する
など、チームとして必要な条件を満たしていました。
チームに必要な条件については、以下のコラムをご参照ください。
第27回 リアルチームを作る
また、成果物の完成度が低いチームと言いますか、ほとんどレゴブロックが組み立てられず、バラバラの状態のチームでは、
・みんなが、これは自分たちには無理、とあきらめている
・プロジェクトとは、成果が重要なのに、成果を出そうとせず、時間が過ぎ去ること をただ、待っている
など、『メンバーのプロジェクト貢献動機向上』など、微塵も見られませんでした。
チームパフォーマンスの向上のためには、
・自分たちがプロジェクトで成果物を完成させているんだ!
・○○を達成するために、成果物を作っているんだ!
・◎◎を実現するために、○○を達成しているんだ!
とチームメンバーで合意し、プロジェクトのために自分はこの作業を完成するんだ、という貢献動機があることが重要ですね。
◆関連セミナー
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※ハーフセミナー、ナイトセミナーは、事前学習3時間あります
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講師:鈴木道代(株式会社プロジェクトマネジメントオフィス)
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※Youtube関連動画「コンセプチュアルスキルとは(前半)」「コンセプチュアルスキルで行動が変わる」
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鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
本連載は、PM養成マガジン購読にて、最新記事を読むことができます。