◆チームパフォーマンス向上
コミュニケーションニーズとして、プロジェクトマネジメントで行いたいこと、以下の項目があります。
・上位組織へのQCDSの予実のタイムリーかつ正確な報告
・顧客満足度向上
・メンバーのプロジェクト貢献動機向上
●チームパフォーマンス向上
・納期意識を高める
・品質意識を高める
・リスクマインドの向上
・プロジェクトに対する信頼構築
・調達物品質の向上
・ゴールの共有
・スムーズな変更管理の実現
・プロジェクトの安全意識の向上
本号では、「チームパフォーマンス向上」を阻害しているものが何かってことを考えてみましょう。
そもそも、プロジェクトのパフォーマンスは、プロジェクトチームのパフォーマンスによって決まります。また、チームのパフォーマンスは、メンバー個人のパフォーマンスの総和ではなく、メンバー個人のパフォーマンスとチームマネジメントの積として、決まっています。
プロジェクトの成果物は、メンバーひとりで全部完成するわけではありませんし、一人が完成した成果物を他のメンバーが引き継いで、プロジェクトの成果物への完成していきますので、引き継ぎのパフォーマンスがとても重要になっています。
また、複数人で一つの成果物を完成するのであれば、複数人でどのように作業を分担するのか、一人が作業を終わったときに、他の人がサポートをするのかしないのかなどによって、チームのパフォーマンスが大きく左右されます。
つまり、チームマネジメントとは、2人であれば、2人分のパフォーマンス、3人であれば、3人のパフォーマンスが十分に出せるようにすることが、求められているのです。
そのために必要なことは、ビジョンや目的・目標の共有と合意をすることで、作業の分担に合意できるだけでなく、自ら進んで、分担と協力ができるようになってくるはずです。
そして、できれば、プロジェクトを開始する段階で、ビジョンや目的・目標の共有、さらに進んで、それらをワークショップで考えることが、その後のプロジェクトチームのパフォーマンスを向上させることにつながっています。
急がば回れ、ですね。
また、チームの状況やコミュニケーションに問題があり、チームパフォーマンスが良くないようだ、と感じる場合には、アンケートを使って、その状況や原因をを分析する「コミュニケーション監査」という手法がありますので、試してみるのも一つの手です。
コミュニケーション監査については、下記のコラムを参照してください。
PMの道具箱 第48回 コミュニケーション監査
そのアンケートの中では、例えば、
・私はプロジェクトメンバーを信頼している
・プロジェクトメンバー同士の人間関係はうまくいっている
・私はプロジェクトメンバーとの関係に満足している
・私はプロジェクトマネジャーを信頼している
・プロジェクトマネジャーは私に対して誠実である
・プロジェクトマネジャーは私の話をよく聞いてくれる
・私は遠慮なく、プロジェクトマネジャーの意見に反対できる
などの質問をメンバーに匿名で、5段階で評価してもらい、メンバーの平均とプロジェクトマネジャーの結果とに乖離はないかどうか、メンバーの中で大きく差がないかどうかをチェックすることによって、原因をあぶり出すことができますので、ぜひ試してみてください。
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「チームマネジメント」
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3.コンセプチュアルシンキングで創造的かつ生産的なチームを作る
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・心理的安全性
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5.コンセプチュアルなチームワークエクスサイズ
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鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
本連載は、PM養成マガジン購読にて、最新記事を読むことができます。