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第34回 上位組織へのタイムリーかつ正確な報告 (2015.03.06)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木 道代


◆上位組織へのタイムリーかつ正確な報告

コミュニケーションニーズとして、プロジェクトマネジメントで行いたいこと、以下の項目があります。

●上位組織へのQCDSの予実のタイムリーかつ正確な報告
・顧客満足度向上
・メンバーのプロジェクト貢献動機向上
・チームパフォーマンス向上
・納期意識を高める
・品質意識を高める
・リスクマインドの向上
・プロジェクトに対する信頼構築
・調達物品質の向上
・ゴールの共有
・スムーズな変更管理の実現
・プロジェクトの安全意識の向上

本号では、「上位組織へのQCDSの予実のタイムリーかつ正確な報告」を取り上げますが、そもそも、上位組織は、なぜ、QCDSの報告が必要なのでしょうか?

上位組織は、管理(マネジメント)が仕事だから、QCDSが上位組織の関心事だから、また、上位組織がその上位組織に報告するために必要なのでしょうか?
そして、上位組織の上司組織が報告を受ければ、その報告は何に使うのでしょうか?

また、上位組織にQCDSの予実をタイムりーにかつ正確に報告するためには何が必要なのでしょうか?

すべての答えは、それぞれがマネジメントしているから、です。

マネジメントとは、定義に諸説はありますが、
「P:Plan
 D:Do
 C:Check
 A:Action

にて、目的や目標を達成すること」です。

上位組織には、目的・目標とPDCAがあり、プロジェクトにも、目的・目標とPDCAがあり、プロジェクトマネジャーに進捗(予実)を報告するサブチームやメンバー個人にも、目的・目標とPDCAがあるはずです。

そして、それらは連動していますので、その予実がそれぞれのマネジメントに必要な時にタイムリーに正確な報告が必要になるわけです。Checkに対応します。

つまり、それらの報告がメンバー、サブチーム、プロジェクト、上位組織とタイムリーさに同期がとれていればいるほど、最新のホットな情報であり、正確であればあるほど、正しい判断ができ、PDCAがうまく回ることになります。

体制で言えば、メンバーー個人のPDCAのループの周りには、プロジェクトのPDCAのループが回り、その外には上位組織のPDCAが回っています。

また、期間で言えば、週のPDCAのループの周りには、月のPDCAのループが回り、その外には年が回っています。

と考えますと、メンバー個人のタイムリーで正確な進捗報告は、プロジェクトだけでなく、上位組織にとっても、非常に重要な報告となっているわけです。

その責任は、メンバー個人がきちんと報告するということとともに、プロジェクトマネジャーには、正しい報告を引き出すという意味での、とても重い責任があります。

また、タイムリーとは、必要な時に必要な情報という意味ですので、相手が欲するものをタイミングよく、適切なチャネル、手段にて渡すことが重要です。

進捗報告のポイントについては、以下のコラムにもありますので、ぜひ、ご覧ください。

 PMの道具箱 第21回 進捗報告の5つポイント

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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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