◆プロジェクトSWOT分析
SWOT分析は、PMBOK(R)ガイド第4版では、リスク知識エリアのリスク特定のツールと技法であり、プロジェクトをSWOT(強み、弱み、好機、脅威)の各観点から検討することによって、内部的に生成されているリスクを特定するための技法です。
同様のプロジェクトSWOT分析は、プロジェクトの方向性を決めるための計画プロセスのツールとして使うことができます。
(ドラガン・ミロセビッチ著「プロジェクトマネジメント・ツールボックス」)
プロジェクトSWOT分析では、プロジェクト環境に関する情報をプロジェクトの実行能力と組み合わせて、重要成功要因(CSF:Critical Success
Factors)を特定し、そのCSFと現状とのギャップを特定し、ギャップへの対応をプロジェクトの方向性とし、ギャップへの具体的な対応策を計画に反映していく技法です。
ただし、この一連の流れは、顧客の要求事項を実現するために、
プロジェクト環境はどうなのか?
プロジェクトの実行能力はどうなのか?
という観点で進めていくことが重要なポイントです。
作成するタイミングは、プロジェクト憲章作成後、プロジェクト・スコープ記述書を書く前に行いますが、正式な計画書というよりは、ワークフォーマット的な文書となります。
プロジェクトSWOT分析には、弱み、脅威を最小化し、強みと好機を活用した戦略を策定でき、ギャップに認識や解決を顧客の視点でできるというベネフィットがあります。
作成方法についてですが、まず、SWOT分析を行います。
プロジェクト環境の観点から好機と脅威を分析し、プロジェクト実行能力の観点からプロジェクト実行能力を分析します。
そして、好機を最大にするため、強みを活かす(弱みを克服する)ための方策、脅威を最小にするため、強みを活かす(弱みを克服する)ための方策を立案し、それらを顧客要求事項を満たすためのCSFとして、10ポイント程度、選出します。
その後、CSFについて、理想を10とした場合の現実を数値化し、ギャップとします。ギャップが大きい場合は、そのギャップを解消・軽減するためのアクションを立案し、計画に盛り込んでいきます。
ギャップが小さい場合は、放置、ギャップが中の場合は、放置または軽減かどうかを決め、軽減の場合は、軽減するためのアクションを計画に盛り込んでいきます。
アクションには、責任者と期限を決めておき、確実に実行されるようにしておきます。
この流れで、プロジェクトの方向性を決め、プロジェクト・スコープ記述書に反映していくためのツールです。
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鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
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