◆共感図法
PMの道具箱シリーズでは、現在、書籍「ゲームストーミング」について取り上げています。
「ゲームストーミング」(著:デイブ・グレイ他、出版:オライリー・ジャパン、監訳:野村恭彦、2011)
本号では、顧客やユーザのプロフィールを作成することができるゲーム、「共感図」を取り上げます。共感図は、XPLANEのスコット・マシューズが考案しました。
このゲームは、プロジェクトの重要なステークホルダーについて、チームメンバーで話し合い、共感図を作成することで、チームメンバーの意識をそのステークホルダーに集中させることができ、気軽にステークホルダー分析をすることができますので、プロジェクト初期に行うことをお薦めします。15分程度のゲームであり、あまり長く行わないようにします。
作成方法は、ホワイトボードや模造紙の中心に顔を描き、次の点について、付箋などに記入し、貼り付けていきます。
1.頭上:みんなが知っていること、氏名、肩書など
2.頭:その人が考えていること、大きな関心事、心配、願望、熱中すること
3.目:その人が見えるもの、何を見ているのか、どんな環境、友人、市場
4.耳:その人が聞こえるもの、誰がどのようにどんな影響を与えているのか
5.口:その人が言っていること、他人に言っていること
6.左下:その人が感じていること、重要だと思っていること、恐れていること
7.右下:その人がしていること、他人への振る舞い、行動、態度
共感図
┌────────────────────┐
│\ / │
│ \ 1.みんなが知っていること / │
│ \ / │
│ \ / ̄ ̄ ̄ ̄\ / │
│ \ / 頭 \ / 3その人│
│ 耳│ ■ │目 が見える│
│ << 2.その人が \ もの │
│4.その │ 考えている │ │
│人が聞こえ│ こと ┴┘─────│
│るもの │ │ 口 │
│ │ < 5.その人が│
│ └──────┘ 言っている │
│ / \ こと │
│ / │ \ │
│ /6.その人│7.その人\ │
│ / が感じてい│がしている \ │
│ / ること │こと \ │
│/ │ \ │
└────────────────────┘
2.〜7.については、そのステークホルダーになりきって、その視点に立って、考えます。このステークホルダーは、何を欲しているのか、どんなことがこのステークホルダーをやる気にさせているのか、私たちは何ができるのかなどを考えていきます。
これらによって、ステークホルダーに対する共感をチームメンバーから引き出し、さらに、ステークホルダーへの理解を高めるために使います。
参考図書
「ビジネスモデル・ジェネレーション」著:アレックス・オスターワルダー他、訳:小山龍介、出版:翔泳社
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5.ステークホルダーと良い関係を作る
・(演習5)期待と要求のロールプレイ
6.まとめ
・(演習6)カレンシーを再考する
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鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
本連載は、PM養成マガジン購読にて、最新記事を読むことができます。